沖電線は8月11日、スマートフォンなどのモバイル機器に使用される、多層FPC (多層フレキシブル基板)を薄型化することにより、柔軟性を向上させた「極薄柔軟多層FPC」を開発し、販売を開始したと発表した。

近年、軽量化・コンパクト化の進むモバイル機器の機器内配線においては、重量やスペース制限への対策として、高密度かつ軽量で柔軟性を備え持つ多層FPCが多く使われるようになってきている。しかし、従来の多層FPCをさらに高性能化するために高密度化しようとすると、層が厚くなることにより本来の特長である柔軟性を低下させてしまうという課題があった。

同社が開発した「極薄柔軟多層FPC」は、絶縁層や接着材層の薄型化と独自の積層技術により、4層構造で約40%の薄型化を実現し(同社比)、従来の多層FPCでは困難だった狭いスペースでの曲げ配線が可能となったとしている。柔軟性に関してはR1.0mmのくり返し折り曲げ試験において折り曲げ耐性が従来の10倍以上との結果を得ており、高い信頼性を実現したという。

従来品との比較

同社は、「極薄柔軟多層FPC」は今後のデジタル電子機器のますますの軽量化・コンパクト化に貢献すると考えており、モバイル機器関連はもとより、医療、介護関連やロボット関連からスポーツ、ヘルスケアなどさまざまな分野で用いられるウエアラブル機器への適用が可能となるとコメントしている。