8月8日に日本で公開を迎え、世界興行ランキングで前作を抜いて歴代9位を記録した『トランスフォーマー/ロストエイジ』。本作でヒロイン・テッサ役の声優を務めた中川翔子は、先月行われたジャパン・プレミアで「人類なら全員見なきゃダメ!」と本作の魅力を語り倒したが、インタビューでも、オプティマスプライムたちのかっこよさや感動のストーリーについて、弾丸トークが止まらない。

中川にとって、実写の洋画の吹き替えは今回が初挑戦。数多く経験してきたアニメのアフレコとは「まったく違う」と、今回苦戦したという中川は、どのように大役を務め上げたのか。そして、歌手、声優、女優、さらに、ファッションブランドのプロデュースなど、幅広い才能を発揮している彼女の今後の目標などについても聞いた。

中川翔子
1985年5月5日生まれ。東京都出身。2001年に本格デビューし、グラビアや女優、タレントとして活動。2006年にCDデビューし、紅白出場を果たす。さらに、声優、文筆家としても活躍
撮影:蔦野裕

――おもちゃからアニメ、実写映画と、さまざまな形に発展した「トランスフォーマー」。中川さんは何かはまったものなどありましたか?

はじめて「トランスフォーマー」に触れたのは、日本で放送されていた『トランスフォーマーV(ビクトリー)』というアニメ。その主題歌がものすごくかっこよくて、アニメソングを好きになったきっかけにもなりました。また、『トランスフォーマー コンボイの謎』というファミコンゲームも好きでした。開始2秒で死ぬという難しいゲームで"伝説のゲーム"と言われているんですが、ぜんぜんクリアできていなくて、最近また挑戦しています。

そして今回、吹き替え声優の話をいただいて、「トランスフォーマー」の歴史を振り返ろうと勉強したら、どっぷりはまってしまって、今はオプティマスさまのフィギュアが飾ってあり、玄田(哲章)さんボイスのオプティマスにメロメロになっています。オプティマスもバンブルビーも、人間よりも男気があって、自分以上に大切なものを守るという愛がある。人類が忘れかけていたものをオプティマスさまたちが教えてくれます。

――シリーズ4作目となる本作はいかがでしたか?

新たに登場するダイナボットにオプティマスさまが乗っかって剣を振りかざすシーンは、かっこよすぎて脳がおもらししてました。かっこいいとかすごいとかおもしろいとかいう言葉を1億個並べても足りないくらい! 今回の2時間40分は、ジェットコースターのようにおもしろい。今までの『トランスフォーマー』シリーズが見せてくれた次元を塗り替えて、さらに新たな次元に連れていってくれて、人類の進化の最高峰なんだろうなと思うと、「人類ならば全員見ろよ!」と言いたいです。

――頼もしいオートボットたちそれぞれ性格が異なりますが、中川さんの好きな男性のタイプはどういう人ですか?

まさにオプティマスのような人がタイプです。今回見てあらためて、自分のことよりも、自分を犠牲にしてでも相手を守ることができる人って、究極の愛を持っている人ですよね。それくらいの気持ちで愛してくれる人がいいなと思いました。人類よりよっぽど男です。

また、"ダメージ男子萌え"というのは生身の人間に感じていましたが、今回、オプティマスさま死んじゃいますくらいの大変なダメージシーンがあって、オートボットとはいえ痛みがすごい伝わってくるんです。人類って欲望に振り回されてすぐ言っていることがぶれてしまう。何度も助けてもらっているのに、オプティマスさまたちに大変失礼なことをする。人類として申し訳ない気持ちになると同時に、ダメージを受けてなお正義を貫こうとする、何度も立ち上がろうとするオプティマスさまが、すごいセクシーでかっこいいです。

――そんな本作でとても重要な役であるヒロイン・テッサの吹き替えを、中川さんが担当されました。演技する上で意識していたこととは?

アニメのアフレコでは感情が伝わるように、大げさな表現をすることが多いです。でも今回は、正反対というか、見たまんまのリアリティにするべく、繰り返し言われたのは「テンションをすごく落としてください」ということ。めちゃめちゃ難しかったですね。私としては、オプティマスさまが出てきて脳汁が止まらなくて「うひゃー!」ってなっている状況であっても、テッサはクールなんです。お父さんや彼氏と対話するシーンはものすごい温度が低かったので、何度もやり直しました。引き算でしたね。でも後半は、叫びの連続だったので、掛け算という感じでした!

――本作で描かれていた親子の絆、彼氏との愛。どのように受け取られましたか?

テッサのお父さんは、親としての男らしさを見せてくれて、こんなお父さんがいたら最高だなと。ちょっとダメだけど最高に熱くておもしろい。テッサはそんなお父さんに対してツンデレですが、その世代ってしょうがないと思うんです。そして、イケメンの彼氏との愛も、いろいろ不安定な自分を支えてくれる。いろんな形での愛に恵まれているテッサですが、守られるだけでなく自分自身の強さでものすごい活躍を見せてくれる。やり遂げてしまうところが、『トランスフォーマー』のヒロインはさすがだなと思いました。