Marcelo Claure氏

ソフトバンク傘下の米Sprintは8月6日(現地時間)、Dan Hesse氏が社長兼CEO(最高経営責任者)を退任し、代わってMarcelo Claure氏が8月11日付けで社長兼CEOに就任すると発表した。Claure氏は携帯端末卸売大手Brightstarを創業した起業家として知られるが、通信業界での実力は未知数だ。

Claure氏は1997年にBrightstarを創業。携帯端末の流通ソリューションを提供する価値をいち早く見抜き、米マイアミをベースにしていたBrightstarをグローバル規模の事業に成長させた。2013年10月にソフトバンクが12億6000万ドルでBrightstarを子会社化すると発表し、2014年1月に株式の取得を完了。1月にClaure氏がSprintの取締役に加わった。

Sprintおよびソフトバンクは公式発表していないが、Wall Street JournalやBloombergなどが前日に、Sprintが交渉を進めていたT-Mobile USAの買収を断念したと報じた。米携帯3位のSprintと同4位のT-Mobile USAが合併すればAT&TやVerizonに対抗する第3の勢力になるものの、T-Mobile USAの成長もあって反トラスト当局が難色を示したという。そうした報道の中でのCEO交代発表になったが、Sprintの発表文の中で、同社のチェアマンを務める孫正義氏は「業界再編が健全な競争と顧客の利益の向上につながるとわれわれは信じている」と、米携帯業界を改革する意欲が衰えていないことを示した。