CommVault Systems Japanは8月5日、米CommVault Systems 会長兼CEOのロバート・ハマー氏来日に伴う事業戦略説明会を開催した。ハマー氏は、同社技術がオンプレミス/クラウド/モバイル環境のデータや仮想マシンを、環境跨りも含めて一元的かつ自動的に管理できることを強調。IT予算総額第2位の日本において販売/サポート体制を整備し、クラウドの利便性拡大を後押ししていくことを明かした。

米CommVault Systems 会長兼CEOのロバート・ハマー氏

CommVaultは、データの管理に関連したさまざまなソリューションを提供する企業。バックアップ/リカバリを中心に、アーカイブ/eディスカバリ、重複排除/圧縮、エンタープライズレポーティング、レプリケーション/CDP(Continuous Data Protection)、端末データ管理などをSimpanaソフトウェアという単一の製品でカバーできるという特長がある。

ハマー氏は冒頭、同社が企業買収を行うことなく、自社開発で技術を進化させてきたことを説明したうえで、「だからこそ、他社では異なる製品として提供されている技術が、CommVaultではSimpanaソフトウェアという単一のソフトウェアで実現され、管理や監視を統合的に行える環境が実現されている」と解説した。

Simpanaソフトウェアと他社の製品ラインアップの比較

続けてハマー氏は、Simpanaソフトウェアがバックアップ/リカバリからはじまり、レプリケーション、アーカイブ、検索、端末のデータ保護などの機能を追加して「情報インフラ基盤」と呼ばれるまでに進化してきたことを紹介。さらに最新版では、オンプレミス、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、パブリッククラウドと、すべての環境を跨ってデータや仮想マシンのレプリケーション、バックアップ/リカバリが行えるうえ、ポリシーに従った自動化が実現されており、「クラウド自動化/管理プラットフォーム」という位置づけにあることを説明した。

また、主にサービスプロバイダーを意識した技術としてマルチテナンシー機能も提供しており、一元管理を実現しながら複数の顧客のデータ/環境をセキュアに管理することも可能という。国内ではTISがこれを活用したクラウドデータバックアップサービスを同日より提供開始することも発表している。

Simpanaソフトウェアの進化の歴史

クラウドユーザーのさまざまなニーズに応えられる

さなお、従来は、データ量に応じて課金されるライセンスしか用意されていなかったが、最新版では、部分的に使用したいというユーザーのニーズに応えるかたちで、仮想マシンの管理やスナップショットの管理、端末データバックアップ、Eメール アーカイブ/コンプライアンス向けのライセンスも追加したという。ハマー氏は、「仮想マシンならソケット数単位で、端末ならユーザー数に応じて課金される仕組みなので、Simpanaの機能をすべて使うわけではないユーザーにとっては従来よりも安価に利用できる」とメリットを説明した。

新たなライセンスが加わった

CommVault Systems Japan ジャパン エリア バイスプレジデントの大越大造氏

また、ハマー氏に続いて登壇した、CommVault Systems Japan ジャパン エリア バイスプレジデントの大越大造氏は、Simpanaソフトウェアが一般的なOS、アプリケーション、ハイパーバイザー、ストレージをほぼ網羅していることを強調。他社製品よりも網羅性が高いため、異種混在環境においては特に力を発揮するという。

加えて、大越氏は、同社のバックアップが、InelliSnapと呼ばれる独自技術によって実現され、仮想マシン、OSイメージ、アプリケーションと、さまざまな単位でデータを復元できることを解説。CDPでありながら、高速にリカバリをかけられることなども明かした。

さらには、数年前のメールデータなど、アクセスされなくなったデータをアーカイブする機能も提供していることも説明。アーカイブデータはそのままの状態で検索をかけることも可能で、eディスかバリ対応としても有効であることなどが明かされた。

なお、国内での販売活動はすべてパートナーを通じて展開する予定で、現在のところ、TIS、ビットアイル、ディメンションデータ、京都電子計算が名を連ねている。