日立パワーソリューションズは、雨雲をオンライン地図と重ねて3次元表示するソフトウェア「DioVISTA/Storm」を8月5日より発売すると発表した。

「DioVISTA/Storm」システム構成図

近年、雨雲の3次元構造をとらえることができる新型の降雨レーダーが導入され、頻発する竜巻やゲリラ豪雨の観測、予測技術の確立などへの期待が高まっているが、その降雨レーダーによる観測結果の表示には、多くの場合2次元の地図が用いられている。

そこで、同社は降雨レーダーの観測結果をオンライン地図と重ねて3次元表示できるソフトウェアを開発。大容量のデータが生成され続ける降雨レーダーの観測結果をパソコンで3次元表示できるよう、竜巻やゲリラ豪雨に関連する部分を抽出する「等値面高速生成技術」を開発し、同製品に適用した。

同じ製品は、雨雲の内部構造を明瞭に表現するとともに、広域の天気予報や海洋観測情報とを組み合わせた情報の表示を、軽快な操作感で実現し、地球全体の表示に加え、ズーム、スクロール、角度を変えて真上や斜め上から見ることが可能。

2013年9月2日に埼玉県越谷市などで発生した竜巻の親雲(積乱雲)を可視化した図

雨雲内部にある降水コアを、他の雲に隠されることなく、3次元アニメーションで表示する。これにより、上空で形成された降水コアが落下する様子や風により流される様子が視覚的にとらえられる。

竜巻やゲリラ豪雨の現象全体の把握に重要な、広域の天気予報や海洋観測の表示ができ、気象海洋分野の様々な情報を表示するため、気象海洋分野で国際的に普及しているデータフォーマット「NetCDF」に対応した。

上図と同時刻における気象シミュレーションの結果を可視化した図 資料:気象庁

価格は、「Standard Edition」が40万円(税別)から、カスタマイズとコンテンツ作成は個別見積りとなる。