東芝は、視線の先に映像を表示できる、見やすく装着性の優れたウェアラブル・ディスプレイを目指した映像表示技術を開発したと発表した。

近年、社会インフラの老朽化あるいは装置の複雑化により、高度な保守点検のニーズが高まっている。保守点検の業務量の増加や、高難度化が進む中で、高度な専門スキルを持った保守作業員は不足しており、ICT技術の積極活用による作業効率の改善が期待されている。そこで同社は、従来のタブレットなどの情報端末に加えて、ハンズフリーで作業手順や図面などを視線の先に表示できるウェアラブル・ディスプレイに向けた独自の映像表示技術を開発した。

従来のウェアラブル・ディスプレイの表示方式の1つに、表示部をメガネフレームの外側に設ける方式があるが、この方式では、表示部が視界の一部を遮ってしまう上、表示内容を見るために視線を動かす必要があるという問題があった。また、その多くは重量が重く、長時間の現場作業には不向きであった。

今回同社が開発したウェアラブル・ディスプレイ向け映像表示技術は、メガネフレームの内側に表示部を設け、メガネレンズ部で画像を反射させることで、視線の先に画像を見ることができる。そのため、表示部が視界を遮らず、作業の邪魔にならないと同社では説明している。さらに、表示部を小型化することで、普通のメガネのような装着感を実現し、ウェアラブル・ディスプレイを長時間装着しての作業においても、疲労の軽減が可能だとするほか、視線の先に画像を表示できるため、視線を動かすことなく表示を見ることができ、将来的には実物に表示を重ねて表示することで直観的な作業指示への活用が期待されるとしている。

なお同社では今後、表示部のより一層の小型化、軽量化と、表示の高画質化、広画角化の技術開発を進め、社会インフラを中心とした保守や点検業務の効率化への活用を目指すとコメントしている。

ウェアラブル・ディスプレイの試作品