イーソルは7月28日、ARM Cortex-A9 MPCoreマルチコアプロセッサとFPGAを統合したAlteraのSoC「Cyclone V」に対応するリアルタイムOS(RTOS)ベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」を、「eT-Kernel/Cyclone V SoC評価キット」として発表した。

同キットには、イーソルのRTOS「eT-Kernel」のマルチコアプロセッサ対応版「eT-Kernel Multi-Core Edition」を中心に、開発ツール「eBinder」、およびアプリケーション評価に必要なミドルウェア、ドライバが含まれている。また、組み込みシステムの開発に必要な要素が統合化されたパッケージを30日間無償で利用できるため、「Cyclone V」や「eT-Kernel」の性能と品質の評価を手軽かつ迅速に行うことができる。なお、すでに「μITRON」環境におけるソフトウェア資産を持つユーザーは、「eT-Kernel」が「μITRON」の機能とアーキテクチャを継承しているため、ソフトウェア資産の流用が容易に実施できる。

さらに、同キットでは、「Cyclone V」評価ボード上のランタイム環境として、「Cyclone V」がサポートするコントローラに対応したSDメモリカード、USBホストコントローラ、Ethernetなどの各種ドライバ、およびサンプルソフトウェアに合わせたファイルシステム、TCP/IPプロトコルスタック、USBホストスタックなどの各種ミドルウェアが提供される。そして、ARM純正コンパイラを含む豊富な開発ツール群で構成されるT-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」の利用により、評価用アプリケーションの動作検証やパフォーマンス解析が迅速にできる。「eBinder」では、マルチコア向けソフトウェアの開発で重要なマルチプログラミングと、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析をサポートする様々な機能が提供される。これらを利用することで、低コスト、短期間での評価が可能になるとしている。