富士通ゼネラルは7月25日、宮城県石巻市が行っている東日本大震災からの復旧・復興事業の一環として、同市全域を対象とした防災行政無線整備事業において、同社製の最新式デジタル防災行政無線システムが採用され、運用を開始したと発表した。

石巻市デジタル防災行政無線システム概要図

石巻市の従来のシステムは、合併前に整備された旧市町ごとの情報伝達方法を継続して運用していたため、市内全域への周知に時間がかかっていた。今回の最新式デジタル防災行政無線システム運用開始により、「緊急時の市内全域への避難勧告などの強制的な一斉通報」「緊急時の孤立防止のため市役所と各総合支所間を無線専用回線で繋ぎ双方向通信による状況把握」「職員の連絡用移動無線(携帯無線/車載無線)の整備」など、緊急時における避難勧告、情報収集など災害支援活動での迅速かつ的確な対応が可能となった。

市役所内の防災無線室(左)、市内の屋外子局(右)

2014年4月に、籠峰山(かごぼうさん)、硯上山(けんじょうさん)など6ヵ所の中継局設備を介した河北、雄勝など各総合支所との無線回線によるネットワーク化が完了し、地域の住民への緊急時の避難勧告などが迅速に行えるようになった。同市は、難聴地域を解消するため、屋外子局の増設などを計画している。