日立製作所の英国における鉄道システム事業会社である日立レールヨーロッパ社は7月22日、グローバル市場向けに開発している、セミ・オーダータイプとなる標準型車両のラインアップ「グローバルA-train」のうち、英国市場向け近郊車両「AT-200」の実物大モックアップを完成させ、7月21日にロンドンで公開したと発表した。

グローバルA-trainは、車両構成のフレキシビリティと最大限の標準化を目指して開発を進めているもの。2,000両以上の納入実績のある「A-train」で採用しているアルミニウム構体技術をベースとし、欧州規格への適合や設計の最適化を進め、部品点数の削減や更なる軽量化を実現した車両。

デザインは用意されたパターンの中からニーズに合ったものを、鉄道事業者が自由に選択することができる。

具体的には、室内空間やテーブル、座席、トイレ、照明や空調などの基本設備から、無線LANやUSB、電源ソケットなど、PCやスマートフォンの使用を想定した設備まで、乗客のニーズを徹底的に調査し、その結果を設計段階で反映している。

今回公開されたAT-200は、時速約200kmの営業速度まで対応可能。車内には、クロスシート、荷物置場、テーブルなどを設置し、出入り口は片側2ヵ所としており、通勤ラッシュのピーク時における主要駅での停車時間を60秒から90秒の範囲に収めることができる。さらには、走行する路線に応じて、1編成あたり3~12両とすることが可能。

AT-200の製造は、現在、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフに建設中の工場で行う予定。

「AT-200」のイメージ