三菱地所は7月15日、「大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3事業」敷地内において温泉掘削が完了し、温泉の湧出を確認するとともに、本温泉の源泉名を「大手町温泉」と命名したと発表した。

同社は、同計画の敷地内で深度約1,500mの掘削を実施し、6月6日に湯を汲み上げサンプルを採取する「揚湯試験」を行った。そのサンプルは中央温泉研究所で温泉分析が行われた結果、温泉と認定され、7月14日に同法人発行の温泉分析書を受領した。

温泉揚湯試験の様子

同社はこの温泉を、オフィス棟内に入居予定のフィットネス施設で温泉入浴サービスとして提供するほか、宿泊施設棟の温浴施設での利用を通して、東京オリンピック開催も見据え、観光客を含めた訪日外国人などに対する「日本ならではの魅力」の発信に寄与する。

災害時には温浴施設を開放することで、災害活動要員のほか、事業継続に携わる従業員やボランティアの衛生環境向上に寄与する。

「大手町連鎖型都市再生プロジェクト」の概要。左から、オフィス棟のイメージ、敷地配置図

大手町温泉は「療養泉」に分類され、泉質は「含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉(高張性・中性・温泉)」となる。療養泉の一般的適応症としては、筋肉・関節の慢性的な痛み・こわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息・肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害など)、病後回復期、疲労回復、健康増進がある。