日立製作所(以下、日立)の欧州における現地法人であるHitachi Europe(以下、日立ヨーロッパ)と、オーストリアのセキュリティソリューション企業であるMIGは、トルコの医療機関向けに、Wi-Fi機能を搭載したモバイル型生体認証装置「BIOMIG」の提供を開始したと発表した。

「MIG」Webサイト

この装置は、日立が開発した指静脈認証技術をもとにMIGが製品化したもので、患者の個人認証を容易に行うことができ、既にトルコのMemorial Healthcare Group(メモリアルヘルスケアグループ)をはじめとする複数の病院や人工透析センターに導入され、稼働を開始している。

「BIOMIG」は、患者が医療サービスを受ける際に個人認証のために利用されるソリューションで、政府による病院などへの支払いを、従来よりも効率的に管理できる。

トルコでは、収入が法定基準を下回る労働者は無料で医療サービスを受けることができる医療給付システムが整備されており、Social Security Institution(労働社会保険省)が発行する専用カード「グリーンカード」が用いられ、これまでに1,000万枚以上が発行されている。しかし、医療給付システムにおける不正利用や非効率性により、医療コストが予算を大きく超過する状況となっていたため、2012年以降、生体認証による患者の個人認証システムを導入するなど、生体認証技術の採用が大きく拡大している。