携帯電話のカバーエリアを示す「人口カバー率」の統一基準が示された。業界団体の電気通信サービス推進協議会が、「電気通信サービスの広告表示に関する自主基準及びガイドライン」の改訂版を発表したもので、これにより、各社のエリア表記が統一されることになる。

KDDIは800MHz 4GLTEの実人口カバー率を掲出しているが、これが新たな基準に変更に

「人口カバー率」は、携帯電話が使えるエリアの目安となる数字だ。携帯キャリアが基地局を建てて携帯電話が利用できるようになった地域を、だいたいの目安として示したものとなる。

基本的に、キャリアは「人口」ベースでエリアを示している。これは、「人が住んでいない」または「全く人が存在しない」場所をエリア化しても意味がないからで、そのため、「あるエリアにいる人がどれだけ携帯電話を利用できるか」という考え方でカバー率が算出されている。つまり、「前人未踏の地」が圏外でもカバー率には影響がない。例えば「人口カバー率99%」という表現は、「国土の99%をカバー」しているのではなく、「日本国民の99%が利用できるエリアをカバー」という意味になる。 この人口カバー率は、古くは「市区町村役場が存在する地点が圏内なら、その市区町村は圏内とする」という算出方法だった。これを、NTTドコモは現在も採用しており、同社のWebサイトやパンフレットなどに記載されている「人口カバー率」は、これを元に算出されている。

この算出方法は、市区町村役場をカバーする1つの基地局さえ設置してしまえば、全体をカバーエリアとして設定できるため、実態に即していないという批判があった。ドコモはこれに対して、エリアを拡大することで実態に即したエリアを構築できている、と反論してきたが、KDDIとソフトバンクは異なる基準を採用した。