日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

日本マイクロソフトは7月2日、2015年度の経営方針に関する説明会を開催した。同社代表執行役社長の樋口泰行氏が、2014年度の事業の概況と2015年度の事業方針について説明した。

樋口氏は初めに、2014年度のビジネスについて振り返った。2014年度のハイライトとして、「Windows XPからの移行支援」「Windowsタブレットのシェア拡大」「Microsoft Azureの国内データセンターの開設」「品川本社によるワークスタイルの変革」などを挙げた。

Windowsタブレットについては、「2年前には、市場でほぼシェアがない状態だったが、2014年第1四半期は30.5%のシェアを獲得できた。年内には、過半数を取りに行きたい」と、ビジネスが好調であることをアピールした。

「従来のタブレットは機能が少なかったが、われわれのタブレットはPCに匹敵した機能を持つことがユーザーに浸透してきたから」と、シェアが増加した要因を語った。

また、樋口氏は、今年2月に米マイクロソフトのCEOにサティア・ナデラ氏が就任したことにも言及した。ナデラ氏は「Mobile First」と「Cloud First」をビジョンとして掲げているが、将来はこれらを軸にビジネスを大胆にシフトしていくという。

樋口氏は「商品は使ってもらってなんぼ。売るだけではダメ。こうした考え方が開発者たちにも伝わり、直感的で使いやすい製品を作っていこうという機運が高まっている」と語った。

2015年度は、「Mobile First、Cloud Firstの加速」「日本社会にさらに根付いた会社」というビジョンの下、「デバイスビジネスの加速」「法人向けクラウドビジネスの加速」「魅力的な製品・サービスの提供」を柱にビジネスが展開される。

デバイスビジネスについては、同社のタブレットが機能性や管理性の高さから、法人顧客の引きが強まっていると説明した。その例として、MRに対しノートPCと他社OSのタブレットの2台を配備していた大塚製薬が、Windowsタブレットの1本化を行ったことを紹介した。大塚製薬が導入したタブレットの台数は1,900台に上る。

樋口氏は、7月17日に発売が予定されているSurface Pro 3について、「薄い""軽い"というタブレットの形状でフルPCの機能を持つことが受けている。予約日の初日の状況をSurface Pro 2と比べると、25倍になっている。法人の予約もSurface Pro 2に対し25%増えている」と、好調なスタートを切っていることをアピールした。

今後の製品展開としては、すでに海外では提供を開始している個人ユーザー向クラウドサービス「Office 365 for Consumer」を年内に国内でも展開することを明らかにした。

同サービスは、日本市場に特化した形で最適化を行ってから提供が開始される。「日本市場に特化した形」とは、PCにプリインストールされたOffice製品との連携などを考えているという。

なお、樋口氏は、ビジネス向けCRMクラウド「Microsoft Dynamics CRM Online」を「Office 365」に乗せることで、相乗効果を狙う計画も述べ、「2015年は、Dynamics CRM Onlineへの投資を考えており、大きくドライブをかける」とした。