東北大学とNECは6月27日、同大 サイバーサイエンスセンター内に「高性能計算技術開発(NEC)共同研究部門」を設置し、次世代スーパーコンピュータの技術研究を7月1日より開始すると発表した。

同共同研究部門では、主にスーパーコンピュータのアーキテクチャやシミュレーション技術の高度化と、その応用に関する研究を行う。また、計算機科学と計算科学の発展を担う人材の育成を目的としている。具体的には、次世代スーパーコンピュータに向けた要素技術として、プロセッサアーキテクチャ、ノードメモリシステム、ネットワークシステム、I/Oストレージシステムの設計と、それらの実現に求められるデバイス技術などを研究の対象にする。また、マルチノードベクトルスーパーコンピュータシステムにおいて求められる高効率のベクトル処理や、大規模並列化技術の研究開発を実施する。さらに、防災・減災、ものづくり分野などのアプリケーションプログラムの特性解析技術、高速化技法、大規模並列化技術などの研究を行う。

東北大学とNECは、同共同研究部門を産学連携研究拠点と位置付け、将来の日本のスーパーコンピューティング環境の発展や産業競争力の向上に貢献していくとコメントしている。

東北大学とNECが、1958年に共同開発したパラメトロン式の電子計算機「SENAC-1(NEAC-1102)」。その後も継続して高性能計算技術の研究や、ユーザアプリケーションの高速化・並列化を行う研究を行ってきたという

2014年10月に運用開始予定のNEC製スーパーコンピュータ「SX-ACE」。同製品の開発においても、これまでの共同研究のノウハウが活用されている