販売は好調 - 研究開発、医療分野でニーズ

4月25日の発売以降、dynabook T954の販売は好調だという。

立河氏は、「売れ行きは上々の滑り出し。市場想定価格で23万円前後という価格帯の製品であるにも関わらず、過去のフラッグシップ製品を上回る出足となっている。プロのカメラマンや、撮り鉄といわれる写真にこだわるマニア層などにも高い評価を受けている。また、顕微鏡写真の表示用途といった研究開発部門での利用、医療分野ではレントゲン写真や手術時の検証などに使用する可能性など、高精細で、高い色再現性が必要とされる領域で、4KノートPCの活用は広がっていくと考えている」と語る。

4Kにおいて、高精細化によるメリットは画面スペースの活用ではなく、「映像や写真の精細感の表現」と語る根岸氏

だが、4Kとなったことで、顧客へのアプローチの仕方は変えているという。

これまでの高解像度ディスプレイの場合の訴求には、画面スペースを広く使えるという提案も含まれており、このdynabook T954でもサブ画面エリアに複数の作業ウインドウを表示でき、手軽にメインウインドウと切り替えられる「タスクスイッチャー」を搭載している。

しかし、15.6型サイズの4Kディスプレイでは、"広く利用する"という提案だと文字やアイコンが小さくなりすぎるという課題も発生する。

「そのため、高密度による精細性もアピールしていきたい。高精細化により、風景写真などは立体的に見えるほど、文字や写真が階調豊かに表現されるという点を訴求していく」(根岸氏)。

確かに100%の表示では、Webページ画面を3枚同時に表示できるが、これではなにが書いてあるのかわからない。もちろん、「東芝画面設定ユーティリティ」から文字サイズを変更可できるため、実用的な広さに設定すれば少しはメリットもあるだろう。だが、より実用的な用途としては、むしろ高精細化の特徴を訴求する方が得策だといえそうだ。