領収書 or レシート
今回は、コラム 公認会計士による監査の視点はお休みです。かわりに、領収書とレシートの違い、についてお話ししましょう。

「領収書じゃなくて、レシートでは、支払った証拠として税務署に認められないのだろうか?」

これ、事業主の方にとっては、気になった事一度はありますよね。実務でも、非常に質問が多いお話です。


(1) 根拠条文 (苦手な方は黄色のとこだけ読んでみて下さい。)
これについて、参考となるのが以下の条文です。まず、【消費税法30条7項】です。

事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。
  ↓
つまり、「帳簿及び請求書等がないと、支払ったものとして認めませんよ」ってことです。

さらに、【消費税法30条9項1号】です。
第7項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類をいう。
事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項が記載されているもの

イ 書類の作成者の氏名又は名称 (誰から買ったか?)
ロ 課税資産の譲渡等を行った年月日 (いつ買ったか?)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容 (何を買ったか?)
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額 (いくらで買ったか?)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称 (自分の名前!)
  ↓
つまり、「イ~ホが、全て分かる書類であれば、支払ったものとして認めます」ってことです。イ~ホが覚えられない!という方。情報を分かりやすく伝達するための手法として、「5W1H」ってよく言われますよね。Who(誰)When(いつ)What(何を)Where(どこで) Why(なぜ)How(どのように)、です。

費用として認められる書類の要件は、「3W2H」で押さえましょう!Who(誰)When(いつ)What(何を)How match(いくら)Himself(自分の名前)、です!


(2) 領収書とレシートの比較
それでは、上記の「3W2H」に照らして、領収書とレシートを比較してみましょう。

イ (誰から買ったか? / Who)
→ 領収書にもレシートにも通常書いてありますので、どちらでもOKです。

ロ (いつ買ったか? / When)
→ 領収書にもレシートにも通常書いてありますので、どちらでもOKです

ハ (何を買ったか? / What)
→ 領収書には“品代”としか書いておらず何を買ったか分からないこともあります。これに対して、レシートには通常商品名が入っています。そういう意味ではレシートの方が各上です。もし“品代”しか書いていない領収書をもらった時は、レシートと一緒にホッチキスで止めておきましょう。

ニ (いくらで買ったか? / How match)
→ 領収書にもレシートにも通常書いてありますので、どちらでもOKです。

ホ (自分の名前 / Himself)
→ 領収書には通常書いてもらえますので、OKです。一方、レシートには通常書かれていないのですが、当該レシートを保存している人が払った人と想定されるため、問題とされるケースは少ないです。


(3) 結論
上記イ~ロの結果、領収書でも、レシートでも、どちらでも良いのです!!

領収書は絶対必要不可欠なものであるという認識は、間違いです。とにかく、3W2Hを満たしている書類であれば、支払った証拠として認めてもらえることが分かりますね。領収書の出ない交通費や結婚式の祝儀などについては、内部の支払い記録や招待状等に祝儀の金額をメモしたものでも、3W2Hを満たす限り代用できるということです。

ただ、レシートの印字が薄いものは、長期間保存しておくと印字が見えなくなる場合がありますので、その点不安がある場合には領収書を保存しておきましょう。

それでは、どうぞ快適な経理・税務業務をお楽しみ下さい!(執筆者:植田 有祐)