島津製作所は6月17日、米国ワシントン大学医学部MacCoss Labが開発する定量プロテオミクス(タンパク質解析)用ソフトウェア「Skyline」最新バージョンに、同社の超高速トリプル四重極型LC/MS/MS「LCMS-8050」が対応したと発表した。

疾患に関連するターゲットタンパク質は、微量のため、超高感度分析が可能なトリプル四重極型LC/MS/MSを用いたMRM法の活用が進められている。しかし、MRMはバックグラウンドのノイズを低減し夾雑成分の影響を取り除いた分析が可能ながら、定量タンパク質のアプリケーションでは、メソッド開発と最適化に多大な労力を必要とするという課題があった。Skylineは、こうしたメソッド開発と最適化の労力を1/10以下に軽減することができるソフトで、一方の「LCMS-8050」は、超高速分析と高い感度分析を両立させ、高速・多成分一斉分析を可能とするもの。フロントLCとして同社の超高速HPLC「Nexera」を用いることで、Skyline を用いた標準的な測定では従来6回に分けてデータ測定の必要があった分析を1回の試料注入で最適化することができるようになり、定量プロテオミクスのスループットを向上させることが可能となるという。

これにより、バイオマーカー探索や検証、バイオ医薬品の研究開発、生化学的アプリケーションのクリニカルへの展開など、臨床分野におけるタンパク質解析のさまざまな場面でLCMS-8050の活用が可能になると同社では説明しており、今回の取り組みを契機にLC/MS/MSを定量プロテオミクス市場へ投入し、分子診断事業の積極的な推進を図っていく方針としている。