中央大学は6月12日、100年、1000年といった長期のデータ保存を目指し、フラッシュメモリを記憶媒体とするSSDのエラーを80%低減する技術を開発したと発表した。

今回、工学部の竹内健教授のグループが、JST戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の研究領域「ディペンダブルVLSIシステムの基盤技術」において、同技術を開発した。

具体的には、2つの技術が開発された。1つ目の技術は、長期保存のメモリを目指して大容量の3ビット(8値)記憶のフラッシュメモリに対し、7個の状態に記憶する手法(nLCセル方式)だ。この技術により、メモリのエラーを80%低減し、長期の記憶に対する可能性を示した。実験では、約1年の実測結果から、100年後、1000年後のメモリの不良率を予測している。

長期保存メモリにむけたnLC技術の仕組み

中央大学が提案するSSDの信頼性

2つ目の技術は、企業向けサーバのような、ストレージのデータを頻繁に書き換える応用製品に対し、書き換え回数やデータを保持する時間に応じて最適な変調方法を選択する、適応制御型の信号変調方法だ。この技術により、メモリのエラーを50%削減することに成功した。

実験データからの100年後の不良率の予測