一つ不満を述べるとすれば、本体ではなくApple純正のスマートカバーの造りだ。本体の端にマグネットで貼りつく構造は以前のiPadシリーズと変わりないが、ヒンジの部分が表面と同じポリウレタン素材。スタンドにするとフワフワと不安定で、キーボードや手書きで入力しにくいのが難点だ。カバンなどに入れた際にズレたり、手持ちで入力する際に裏に回したカバーが動いて持ちにくいこともある。使い道によってはサードパーティー製のケースやカバーを選ぶことをおススメする。

カバンの中でカバーがズレていることがよくある

iPad 2はヒンジが金属パーツで組み立ててあるが、miniではマグネットの棒を表面の素材に貼り付けてある状態

一言で言うなら、地味に実用的

気が付くと、ノートPCで行っていた作業の大半がiPad miniで済むようになっていた。PCを起動することに比べてカバーを開くだけで即時に使え、持ち歩くにもバッテリーの心配をする必要がない。仕事で出かける際も、iPad miniだけを持っていくことが多くなった。腰を据えて長い文章を書く時や、Webページや他のドキュメントを頻繁に参照する場合はPCで作業する必要があるが、そんな時は両方持って行き、移動中やちょっとした修正などはiPadで済ませるといった使い分けが可能だ。

iPhoneもノートPCも持っているのにiPadが必要なの? と訊ねられたことがあるが、これはクルマみたいなもので、必要な人には絶対に必要であり、使うだけの利点は必ずある。そしてそれは、スペックの数字そのものよりも、これがあることでデバイスの使い方のバランスが変わるという、存在が果たした役目によって浮き彫りになってくるものだと言えるだろう。