"純国産クラウド" として着実にユーザーの評価を得ているニフティクラウド。5月14~16日に開催された「第5回 クラウド コンピューティングEXPO【春】」では、同サービスの人気を物語るような展示やセミナーが開催された。その1つがシンカによる講演『クラウドを活用した経営効率向上~ 稼ぐためのクラウド利用とは ~』である。以下、本稿ではその模様を紹介していきたい。

ニフティクラウドをCTI基盤に採用するシンカ

シンカ 代表取締役社長
江尻高宏氏

初日のセミナーに登壇したシンカは、ニフティクラウドを利用してクラウド型CTI(Computer Telephony Integration)サービスを展開するスタートアップだ。

代表取締役社長の江尻高宏氏は、クラウド利用促進機構(CUPA)の運営委員も務める人物。SIerやコンサルティングファームで金融システムの開発や営業戦略、マーケティング戦略のコンサルティングに携わってきたが、なかでもクラウド商品の販売強化が得意だという。

江尻氏は、2014年1月に起業し、1月中旬には商品の販売を開始。こうしたスピード起業ができたのは、クラウドと親和性のある商品を選択したことが最大の理由だという。商品であるクラウド型CTIは、Webブラウザ上で動作し、APIを使って他のサービスと連携できることが最大の特徴だ。

クラウドらしい"びっくり機能"がポイント

テーマである"稼ぐためのクラウド利用"について、江尻氏は講演の中で「クラウドを使ったビジネスは、スモールスタートして、そこから大きく育てることがポイント。特に、クラウドらしい"びっくり機能"は必須です」と語る。

シンカが提供するCTIサービス内のびっくり機能の1つは、電話をかけてきた相手の番号が迷惑電話の番号であることを通知するというもの。電話番号を、ネット上で公開されている迷惑電話データと照合し、ヒットした場合は、受話器を取る前に「めいわくヒット!」などと知らせることができる。通知だけでなく、「◯◯と名乗り、不動産投資の勧誘を行う」といったデータやネット上のレーティングも表示する。

「忙しいときに無駄な電話を取らずに済みます。ネットの情報と連携しているためデータを更新する手間もかかりません。新しいサービスの追加も簡単です。クラウド上でサービスを展開する強みと言えます」(江尻氏)

通常の画面(左)と迷惑電話がかかってきたときの画面(右)。めいわくヒット!」のほか、ネットで公開されている勧誘手口なども表示される

江尻氏はクラウドビジネスのポイントとして、このほかにも下記の点を挙げていた。

  • 距離に関係なくサービスが利用できること
  • 顧客の元に届く時間が圧倒的に短いこと
  • サービス展開が簡単で早いこと、顧客の声をすぐ聞くことができること
  • 人材やサービスについてもクラウドを活用できること
  • デモ環境をすぐに共有化できること

なお、インフラとしてニフティクラウドに注目した理由は、データセンターが国内にあることによる安心感だったという。Amazonなどのサービスも検討したが、「ニフティは顧客にサービス名を言ったときの反応がいちばん良かった」ことから採用を決めた。「国産の名の通ったサービス」であることはビジネスにもつながりやすいという。

今のところ同社のサービスは1vCPUの「mini」プラン1台で運用されている。CTI自体それほどリソースを食うサービスではないが、規模拡大とともに、サーバ台数もスケールさせていく予定だという。

ニフティクラウド Japan IT Weekブースレポート
第1回:[ニフティクラウドに、"ほぼプライベート"の新サービス]
第2回:"稼ぐ"ためのクラウド活用とは?(本記事)
第3回:Coming Soon