キリンビバレッジとサントリー食品インターナショナルは3日、賞味期限が1年以上の清涼飲料について、「年月日表示」から「年月表示」に順次移行すると発表した。
2社は、消費財流通業界の企業で作る団体「日本TCGF」に参加し、日本国内での非競争分野における共通課題の解決に向けて活動している。そのうちのひとつ「サステナビリティプロジェクト 委員会」において、製配販のバリューチェーンにおける環境課題を解決することを目指し、清涼飲料の賞味期限の「年月表示」への移行について取り組んでいる。
2013年2月、飲料メーカー5社(アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、サントリー食品インターナショナル、日本コカ・コーラ)は、賞味期限が1年以上の商品を「年月日表示」から「年月表示」へ移行すると発表。国産水の2リットルペットボトルで表示を切り替えていた。
今回、キリンビバレッジとサントリー食品インターナショナルの2社は、国産水に限定せず、賞味期限が1年以上の商品を「年月日表示」から「年月表示」へ順次移行することを決定。併せて、賞味期限の表示方法を業界内で各社標準化し、かつ漢字表記(「○年○月」)とする。
期待される効果としては、賞味期限をもとに配送や保管、店陳を日別に管理していたものを、月別に管理することで、物流拠点間の転送および転送に由来するCO2排出といったサプライチェーン上の環境負荷や、物流倉庫の保管スペースや店頭の先入先出作業などの非効率を軽減できるという。また、賞味期限表示がよりわかりやすくなるとしている。
現在移行が決定している商品は、キリンビバレッジの缶コーヒー「ファイア」(ギフト用商品を除く)、サントリー食品インターナショナルの「サントリーウーロン茶」、缶コーヒー「ボス」など。2014年6月製造以降、順次移行する。
なお、2社以外の飲料メーカーも各社内で検討中とのこと。
「日本TCGF」は、消費財流通業界の企業が主体となり、日本国内での非競争分野における共通課題の解決に向けて、製・配・販の協働取り組みを行う組織。東日本大震災からの復旧・復興などを進めるため、2011年3月より発足に向けて着手し、2011年8月に設立した。