三菱重工業は、大形工作機械の主力である門形五面加工機MVRシリーズの新モデル「MVR-Eχシリーズ」を開発した。超精密加工機に採用している内部冷却主軸と、コラム(柱)に外気温の変化による変形を抑制するサーモスタビライザコラムを国内の門形工作機械で初めて標準搭載し、より容易に高精度な加工を実現。

本製品は、5月21日(水)、22日(木)の両日に同社工作機械事業部の本工場(滋賀県栗東市)で開催する「三菱重工大形機発表会」で披露し、本格販売を開始する。

MVR-Eχシリーズでは、8,000回転/分の高速主軸を標準採用。内部冷却機構を主軸とラム※に搭載することで、主軸の伸びおよびベアリングの発熱を抑制し、低速域で従来機以上の重切削加工と金型などの高速・高精度の仕上げ加工を両立した。また、サーモスタビライザコラムにより、補正機能では修正できないコラムの傾きや縮みといった熱変位を、X軸とZ軸の直角度変化で500mm当たり6μm以内と極限まで抑制。設置場所の環境変化にも影響されにくくした。他にも、主要構造体のサドルおよびクロスレールの剛性も高めており、ラムを800mm繰り出した状態でもハイパワーで安定的に切削加工可能である。

MVR-Eχ