米Box 共同創業者兼CEO アーロン・レヴィ氏

オンラインストレージを提供するBoxは5月20日、Boxの日本語版サービスを開始し、日本での事業展開を本格化すると発表した。

同日開催されたBoxのアジア初開催となるワールドイベント「Box World Tour Tokyo」にあわせ来日したBox共同創業者でCEOのアーロン・レヴィ氏は「産業経済から情報経済へというビジネストランスフォーメーションは始まったばかり。この時期に日本に参入できることはエキサイティングだ」と日本市場への期待を語った。

オンラインストレージサービスはGoogle DriveやMicrosoftのOneDrive、SugarSync、Dropbox、Amazon S3など各社が提供している。一方で、日本でいち早く提供を開始したリコーのquanpが2013年7月にサービスを終了するなど競争も激しい。

そのような中でBoxはエンタープライズにフォーカス。現在、グローバルで22万5000社以上で採用されており2500万ユーザが利用している。Fortune 500の99%が同社サービスを利用しており、つい先日も米General Electric(GE)との契約を取り付けている。

2005年に創業したBoxは、日本においては2013年8月にボックスジャパンを設立。今回発表された日本での本格展開では、新たにBoxプラットフォームの開発パートナーとしてNTTコミュニケーションズ、コニカミノルタ、サイボウズの3社が加わったほか、国内導入事例としてコニカミノルタ、サンリオエンターテイメント、ディー・エヌ・エー、日揮、ファミマ・ドット・コム、三菱地所、早稲田大学が紹介された。

Boxサービスの特徴には、オンラインストレージとしてコンテンツをクラウドに保管、どこでもいつでもPCやスマートフォン、タブレット端末などあらゆるデバイスでアクセス可能といったベースとなる機能に加えて、エンタープライズレベルでの導入を前提とした高いセキュリティを実現していることが挙げられる。GEのBox採用もセキュリティの向上がひとつの目的となっているという。

クラウドサービスというと日本企業においてはセキュリティへの不安の声があがることが多い。その流れで、企業内で許可されていないクラウドサービスやデバイスなどを勝手に使う「シャドーIT」といった問題も取り沙汰される。ただ、このシャドーITには「仕事をうまく進めるために便利だから」という側面がある。一昔前の「勤務中に仕事に関係ないサイトを見ていたらウイルスに感染……」といった問題とは、その根底において大きな違いがある。

レヴィ氏は「(オンプレミスなど)エンタープライズソリューションは利用者にとって使いにくい。コンシューマーサービスは使いやすいが、エンタープライズでの採用は無理。Boxはこれらの両方を実現したサービス。ユーザが使いやすく、エンタープライズレベルのセキュリティを実現しユーザとIT部門の両社が満足できるものだ」と強調する。

よりスピードが加速しイノベーションを求められるビジネスにおいて、日本企業の意識改革を進められるか。Boxそしてボックスジャパンの成功の鍵はそこにある。