株式会社FocusWEB 代表取締役 山下貴正氏

2014年4月9日(日本時間)、Windows XPのサポートが遂に終了した。今後、修正プログラムが更新されることはなくなり、サイバー攻撃の被害が飛躍的に高まる可能性がある。しかし現実問題として、コストや過去のデータとの互換性など、さまざまな事情によりWindows XPの利用を続けなければならないケースも多い。

今回は、この問題を解決する手段として「シンクライアントシステム」を提案する、株式会社FocusWEBの代表取締役 山下貴正氏に話を伺った。

サポート切れでもXPを使わなければならない事情

OSのサポートが終了すれば、セキュリティの脆弱性が発見されてもアップデートが行われなくなる。その結果、ウィルス感染やデータ改ざん、そして情報漏えいのリスクが格段に高まることとなる。にもかかわらず、サポートが終了した現在においても、多くの企業がWindows XPの利用を続けている。

その理由としては大きく二つある。一つ目はコスト面だろう。業務で利用している全てのPCについてOSをアップグレードすると、それだけでも大変なコストがかかる。しかも、問題はそれだけではない。Windows XPは10年以上前にリリースされたOSである。当然、求められるマシンスペックも低い。そのままOSをアップグレードしても、処理が重くなり作業がままならなくなることも十分に考えられる。その場合、PC自体をリプレイスするためのコストまで発生してしまう。

二つ目は、互換性の問題である。アプリケーションやデバイスによっては、OSをアップグレードすると動作しなくなるものも多い。ましてや、それが自社オリジナルのシステムとなると、新しいOSに対応するための手間とコストは莫大になる。

「このような問題を解決する手段として、もっとも有効なものがシンクライアントシステムなのです」と山下氏は語る。

VDI環境(デスクトップの仮想化)によってコストと互換性の問題を解決

シンクライアントシステムとは、データの処理やアプリケーションなどをサーバー側で集中管理し、その内容をクライアント端末に表示する方法で、サーバーベース方式・VDI方式(仮想PC方式)・ブレードPCのシンクライアント実装方式があるが、近年の主流はVDI方式となる。ほとんどの処理をサーバー側で行うため、クライアント端末は処理能力やOSに依存することなく、最低限の出力機器(デバイスやディスプレイなど)と入力機器(キーボードなど)があればよい。近年では、シンクライアント専用端末も数多く発売されていて、一般的なPCと比較しても安価なため、単純にPCをリプレイスするよりもコストを抑えることができる。

シンクライアントシステムの導入方式

データ互換の問題についても、シンクライアントシステムであれば解決が可能だ。従来のWindows XPでしか動作しない、既存アプリケーションを継続して利用したい場合、VDI方式は、ネットワーク接続しない環境で仮想PCとしてWindows XPを利用することが可能だ。その場合、セキュリティリスクのネットワーク環境では最新のWindows OSを利用し、既存アプリケーション利用時にのみスタンドアローンで仮想上のWindows XPを利用する。

セキュリティ向上による安全なモバイル運用

近年、モバイルの普及によりビジネススタイルは大きく変貌しつつある。今後、ビジネスにおいて、モバイルが大きく関わってくることは確実だろう。しかし、モバイルの利用には、端末の紛失による情報漏えいのリスクが常につきまとう。 シンクライアントシステムであれば、データはサーバー側で管理し、端末側には最小限の機能のみとなる。端末側にはデータが残らないため、万が一、紛失した場合でも情報漏えいの防止にもつながる。

さらに、全ての情報をサーバー側で管理できるので、メンテナンスやソフトのインストールなども一括して行うことができる。

肝となるのは実情に合わせた柔軟なシステムインテグレート

前述の通り、シンクライアントシステムには多くの利点がある。だが、「単純にシステムを導入するだけでは、運用コストの削減や業務の効率化にはつながりません。また、セキュリティ管理のガバナンス強化の観点からも、シンクライアント環境に合わせたセキュリティポリシーが必要です」と山下氏は警告する。

シンクライアントシステムの場合、同じサーバーを共有する者は、基本的に全て同じ環境となる。だが実際には業務内容によって必要となる環境は異なる。 例えば、クリエイティブ部門と総務部門とでは、必要とするマシンパワーも、利用するアプリケーションもまったく違う。画一的にシステムを当てはめても無駄が増えるだけで、逆に手間とコストが掛かってしまうこともある。

「外出先で使うことが多い営業部の方々や回線環境が悪い地方の事業所の方々、PCの利用環境はユーザーごとに異なります。必要なものは何か、逆に不要なものは何か、それに合ったシステムは何かなど、そこを見極めなくてはなりません」(山下氏)

そのために、FocusWEBでは利用するユーザーに合わせて、提案・企画から設計・導入まで一環性を持ったサービスの提供を心がけており、ハードやソフトの選定に制約はなく自由に選択することが可能だ。

外出先からのシンクライアント利用イメージ

本格導入前にはテストによる動作確認が必須

経験豊富なSEが集まり設立された新進気鋭のSI企業であるFocusWEB。同社には、システムを提案するにあたり、一つのポリシーがある。それは「特別な製品を選ばない」というものだ。

「理由は、ハードウェアもソフトウェアも一般的な製品の方が、導入事例や実績、ノウハウも豊富でサポートの観点からも万が一の場合に対処する方法を見つけやすくなるからです。特別な製品は扱いが難しく、ケーススタディも少ない。奇をてらわず、安心して運用管理できるシンクライアントシステムを目指す。それが一番、お客様のためになるはずです」(山下氏)

同社では、クライアントにシンクライアントシステムを提供する場合、特にVDI方式では利用するアプリケーション一つひとつについて、綿密な動作検証と確認を行っている。また、シンクライアントシステムの導入検討しているお客様には、検証用サーバーを無償で貸し出しを行っている。

「従来のPC環境で利用していたアプリケーションが、VDI環境でPCを仮想化した場合でも問題なく動作するか、本番導入の前に十分テストしておくことが重要です」(山下氏)

データ改ざんや情報漏えいが起きれば、企業の存続に関わる事態になる。もし今、やむを得ない事情でWindows XPを使っているのであれば、万が一の事態に備えるためにも、FocusWEBのシンクライアントシステムを検討してはどうだろうか?