Z87-DELUXE/Quadとの比較

今回の検証はそんなわけでZ97-Deluxeがメインだが、比較する対象は当然ながら現行Z87チップセットを搭載した製品となる。ASUSの場合、Z97-Deluxeに相当する製品はZ87-Deluxeであり、今回はZ87-Deluxe/Quadを借用した。こちらは現行製品であるが、簡単に写真で御紹介したい(Photo57~73)

Photo57:Z97-Deluxeを見た後だと、金色がちょっとキツイ感じを受ける。PCIeスロットなどは黄色

Photo58:Photo04と見比べてみると、基本的な位置関係はほぼ同じ。VRMの放熱用バックパネルの形状は微妙に異なっている

Photo59:バックパネルの構成はZ97-Deluxeに近い。BIOSスイッチがまだ残っているのは御愛嬌。Thunderboltとの関係でか、Mini DisplayPortしか搭載されていなのが、筆者の環境では地味に不便だった

Photo60:SATAが10ポート(うち4ポートがASMediaのSATAコントローラ)なのは同じく

Photo61:PCI Express x1レーンの切り替え用にPCIe Switchを実装

Photo62:搭載されているのはPLX TechnologiesのPEX8608というPCIe Gen2対応8レーンSwitch

Photo63:Audio関係はZ97-Deluxeに比べると普通(というか、Z97-Deluxeが異常なのか)

Photo64:搭載されているCodecはRealtekの7.1+2ch対応のALC1150

Photo65:Power/Reset SwitchとかCMOS CLRボタンなどはほぼ同じく。CMOSバックアップの電池の上に、PCIe Electrical Swtchが配されているのがわかる

Photo66:そのPCIe Electrical SwitchはASM1440。ちょっと気になるのは、このSwitchはPCIe Gen2対応な事。これでむりやりGen3を通すのか、それともSLI/CrossFireだと無条件でGen2相当に落ちるのか、どちらなのだろう?

Photo67:マザーボード下部の構成はほぼ似た様な感じだが、M.2とかSATA Expressが無い分すっきりしている

Photo68:GbE PHYはIntel I217-Vを搭載

Photo69:もう1ポートのLANはRealtekのRTK8111GRを搭載

Photo70:バックパネル用と思しきASMediaのASM1074 USB 3.0 Controller

Photo71:Z87-Deluxe/QuadではオンボードでThunderbolt 2 ControllerのDSL5520が実装されていた

Photo72:こちらは付属のNFCリーダー兼USB 3.0 Hub。やや無骨な感は否めない

Photo73:同じく付属の3.5inchベイ用USB 3.0パネル。最近ではケース側もUSB 3.0対応が増えてきたのか、Z97-Deluxeでは省かれている

テスト環境

ということで、実際にZ97マザーボードの性能を比較してみたいと思う。といっても、何しろここまで説明した通り、SATA ExpressとかM.2のStorageでもない限り、9シリーズの性能をフルに発揮、という訳にはいかない。

M.2も現在市販されているものは全部SATA接続であり、これは単にSATA/6G対応のSSDをつなぐのと差が無い。PCI Express接続のものとしてはPlextorのM6e M.2とかSamsungのXP941、SATA ExpressではSamsung 850 SSDといったものがすでにアナウンスされてはいるものの市場には全く出回っておらず、今回もいろいろあたってみたものの借用すら不可能な状況であった。

こうなると、Intel 8シリーズとIntel 9シリーズの間に差は無いわけであって、なので「Intel 8シリーズとIntel 9シリーズの間に差は無い事を確認する」のが主目的となる。そんな訳で、主要なベンチマークを一通り回して、性能差が無いかどうかを確認してみたい。もっともチップセットレベルでは本来差がない筈でも、実際の製品ではBIOS Tuningのレベルの差はある訳で、このあたりはやや面白い結果になりそうである。

テスト環境は表1と表2の通りである。まず主要なテストを内蔵GPUで行い、その後3Dに関してのみ外部GPU(GeForce GTX 780を利用)して行った。ChipsetのInf Driverとか内蔵GPUのGraphics Driverなども微妙にバージョンアップしているので、このあたりの差も性能には関係してくるのではないかと思う。

■表1 今回のテスト環境(内蔵GPU編)
CPU Intel Core i7-4770K
M/B ASUSTek Z97-Deluxe ASUSTeK Z87-Deluxe/Quad
BIOS BIOS 0603 BIOS 1802
Driver Intel Chipset Software V10.0.13.0 Intel Chipset Software V9.4.0.1026
Memory XMP-1866 CL10 16GB (Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2)
※DDR3-1866 CL10動作
Graphics Intel HD Graphics 4600(内蔵GPU)
Graphics Driver Intel Graphics Accelerator Driver V10.18.10.3469 Intel Graphics Accelerator Driver V9.18.10.3186
Storage Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(Data)
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1
■表2 今回のテスト環境(外部GPU編)
CPU Intel Core i7-4770K
M/B ASUSTek Z97-Deluxe ASUSTeK Z87-Deluxe/Quad
BIOS BIOS 0603 BIOS 1802
Driver Intel Chipset Software V10.0.13.0 Intel Chipset Software V9.4.0.1026
Memory XMP-1866 CL10 16GB (Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2)
※DDR3-1866 CL10動作
Graphics NVIDIA GeForce GTX 780 Reference
Graphics Driver GeForce Driver 337.50β
Storage Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(Data)
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1

ちなみにCPUに関してはどちらもCore i7-4770Kを定格動作、メモリはXMP対応のDDR3-1866 CL10動作で利用した。なので厳密にはHaswell Refereshの性能比較ではなく、それもあって妙なタイトルになっている訳だ。それではいよいよベンチマークの結果を見てみよう。