Xilinxは、マルチプロセッシング(MP)SoC向けアーキテクチャ「UltraScale」を発表した。

All Programmable SoC「Zynq-7000」をベースに構築された「UltraScale」は、同社のASICクラスFPGA「UltraScale」、および3D ICアーキテクチャを拡張することにより、ヘテロジニアスマルチプロセッシングを実現し、"タスクごとに適切なエンジンを提供する"ことを可能にした。具体的には、仮想化のサポートにより、32/64ビットプロセッサのスケーラビリティが提供され、ソフトウェアとハードウェアエンジンの連携動作によるリアルタイム制御、グラフィックス/ビデオの処理、波形/パケットの処理などを実現する。さらに、次世代インターコネクトとメモリ、最新の電力管理機能などの技術強化によって、マルチレベルのセキュリティ、安全性、信頼性が提供される。また、システム消費電力を低減しつつ、システムのパフォーマンスとインテグレーションを飛躍的に向上させることが可能。これは、TSMC社の16nm FinFETプロセスを活用することで、ヘテロジニアスマルチプロセッシングと高速なFinFETを組み合わせることが可能になったためであるとしている。

こうした新しいアーキテクチャ構成要素に加え、「Vivado Design Suite」とさまざまなアブストラクションの設計環境も同時に提供されるため、プログラミングが大幅に簡素化され生産性を向上させることができる。そして、C、C++、OpenCLをベースとするデザインアブストラクションをはじめ、Mathworks社やNational Instruments社などのサードパーティシステムレベルアブストラクション、IPベースのデザインアブストラクションおよびオートメーションなどが利用可能となっている。これらの環境では、デファクトスタンダードである28nm All Programmable SoC「Zynq-7000」からのソフトウェアマイグレーションも容易に行える。この他、「UltraScale」をサポートするため、Zynq SWエコシステムやOSサポート、デバッガ、各種IPツール、基板、デザインサービスなどが提供される。

MPSoC アーキテクチャ「UltraScale」