決算発表シーズンに突入しました。あなたが株式を保有したり、定期的に株価をチェックしたりしている企業があるならば、その決算はとても気になるでしょう。

一方、そのすべてに目を通すことは時間の都合上なかなか難しく、決算資料のどこを見ればよいかわからないこともあります。このようなとき、優先して確認すべきポイントはあるのでしょうか。


知識がなくても業績を判断できる数字とは
まずは、売上高と利益の推移に注目します。前期より数字が伸びていることが望ましいですが、営業利益には特に注意を払うべきです。売上高や当期純利益などが増加していても、営業利益が減少していたならば、本業で稼げていないことを意味するためです。このような傾向があるならば、その要因をあとでしっかり探る必要があります。

余裕があれば、セグメント・地域別の利益にも目を向けてみましょう。利益を大きく出している事業や国を把握することで、その企業の将来性・方向性を考えるのです。図1のように、どんなに売り上げても利益を生み出すことが難しくなっている事業を抱えているならば「これからどのような対策を講じるのか」という点にも注意できます。

売上高が大きくても営業利益があるとは限らない例2



また、キャッシュフローの確認も忘れてはいけません。基本的には、営業キャッシュフローはプラス、投資・財務キャッシュフローはマイナスであるならば良好といえます。


経営分析・方針に納得できるか
決算資料では、経営分析や今後の方針について述べられています。この部分を読み、現状に対する考え方や今後のリスク対策において、あなた自身が納得できるかどうかがポイントです。

・消費税増税や、最近話題の人材不足といった課題に対する備えはどうなっているのか
・これからのメイン事業として何を推進するのか
・どの世代をターゲットにするのか
・海外市場拡大において、特にどの国・地域に力を入れるのか
・為替や原材料価格変動の影響をどのようにして抑えるのか

 こういった点に対する考え方に納得できなかったならば、より念入りに分析を行うことが賢明です。

ここまで解説した内容を確認することは難しいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば短時間で済ますことができます。そして、まとまった時間を確保できたならば、それぞれの数字をじっくり読んだり、他社との比較を行ったりすることで、いっそう適切な判断を下せるでしょう。(執筆者:江尻 正幸)