Xilinxは、「All Programmable Artix-7 FPGA」ファミリを拡張させ、車載向けにAEC-Q100規格要件をクリアした「XA Artix-7」を発表した。

同製品は、高性能ドライバーアシスタンスシステム(ADAS)や車載インフォテインメント(IVI)、ドライバーインフォメーション(DI)といったアプリケーションにおいて、高い消費電力あたりのパフォーマンスを発揮する。また、従来技術と比べ消費電力が大幅に低減されている他、パッケージングのフットプリントも小さいため、スペースが限られる車載電子制御ユニットのデザインに最適となっている。

「XA Artix-7」ファミリは、「XA7A35T/50T/75T/100T」の4品種で構成されており、ロジックセル数は3万~10万1000、285のI/Oを備えているのに加え、10mm角の小型パッケージを実現した。さらに、統合されたDSP機能のシグナルプロセッシングパフォーマンスは最高264GMACで、ADASアプリケーションでのイメージデータプロセッシングで威力を発揮する。加えて、内蔵のギガビットトランシーバのデータレートは最高6.25Gbit/sであり、PCI Express Gen 2のような完全に統合されたコネクティビティソリューションの実装が可能である。この他、ダイナミックパーシャルリコンフィギュレーション(DPR)やAES暗号化に加え、温度センサ/電源電圧センサを内蔵した12ビット、17チャネル、1MspsのA/Dコンバータ(ADC)を備えたアナログミクスドシグナル(AMS)ブロックといった先進機能が提供されるため、ECUのBOMコストを総合的に最適化することができる。

「XA Artix-7 」ファミリは、車載向けAll Programmable SoC「XA Zynq-7000」ファミリを補完する製品である。2つのデバイスファミリは、いずれもTSMC社の28nm HPL(高性能/低消費電力)プロセスで製造されており、前世代ソリューションや競合ソリューションと比べて合計消費電力を最高50%低減できる。さらに、デバイスとパッケージの組み合わせの選択肢が広いため、プロジェクト要件の変更に応じてデザインのアップスケール/ダウンスケールも容易に行うことができる。また、デバイスアーキテクチャの仕様により、「XA Zynq-7000」との間で、IPやデザインのスムーズなマイグレーションが相互に可能となっている。

なお、「Artix-7 XA7A100T」はすでに量産を開始している。「XA7A35T/50T/75T」が利用可能となるのは2014年第4四半期の予定。すでに提供しているデザインツールや同等の商用グレードデバイスを利用すれば、デザインを開始できるとしている。