今後の展望期待

複数のメーカーが様々な工夫を凝らした端末をリリースするAndroidに対して、Appleは、年に1回ずつ、1台のiPhoneを大切にリリースしている。昨年からはミドルレンジのiPhone 5cも加わったが、それでもまだ、年に2つのデバイスしかリリースしていないのが現状だ。

しかしiPhone 5sなどのハイエンドデバイスは、ディスプレイなどの分野では遅れを取るものの、64ビットプロセッサや指紋センサーの活用、カメラの活用方法など、スマートフォン業界全体のトレンドを決める役割を引き続きになっている。先進国市場でのトップシェアも背景にしていることから、我々が思うほどiPhoneのブランドは弱くなく、それを柱にしている現在のAppleのビジネスも当面揺るがないものであると考えられる。

これまでのソフト的、ハード的、アプリのエコシステム的な資産を生かしながら、次のAppleの柱となるデバイスをいかに作るかにも注目だ。当然、現在のiPhoneの普及を背景に活用することや、開発者を巻き込んでいくことなどは外さないだろう。

2014年の開発者イベントは6月2日から開催される。この場で、iPhoneの次期モデルが披露されることはないだろうが、OSの刷新はアナウンスされるものとみられる。iPhone曽於もの、あるいはそれ以外のデバイスについてソフトウエア面からのヒントもうかがえるのではないだろうか。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura