Googleの自動運転カー・プロジェクトのディレクターであるChris Urmson氏が、公式ブログにおいて2012年8月以来となる同プロジェクトの進捗情報のアップデートを公開した。開発チームは、昨年から市街地走行の課題克服に取り組み始めており、現在テストを行っているマウンテンビュー市においてGoogle Carはスムースで安全な市街道路走行を実現できるようになったという。

高速道路に比べると、市街地の道路は狭く、たくさんの障害物があり、車以外にも道を共有する歩行者や自転車の動きに対応しなければならない。また道路標識も多く、交通ルールを遵守するのも難しい。Urmson氏によると、市街道路向けに改良されてきたソフトウエアは現在、歩行者や自転車、自動車やバス、信号・標識、誘導員の手信号といった数百のオブジェクトを同時かつ適切に見分けられる。「人間が身体的に不可能な規模で注意を払うことができ、疲れることはないし、動転することもない」と同氏。そして、Google Carは臨機応変に対応しながら安全に走行する。例えば、工事で車線が少なくなっている場所ではロードコーンによって作られた車線を見分けて徐行し、大きな車が車線にはみ出して停まっている場合は安全に配慮しながら車線を変更する。自転車を追い抜く時は、その前に手信号が出される可能性に備えながら走行する。

「テストを通じて、人間の目には雑然としていて、何が起こるか分からないような市街地の道でもコンピュータはかなり正確に予測できることが判明した。数千の異なる状況を経験しながら、起こる可能性が高いこと(例:赤信号で車が停止)から、起こりそうにないこと(加速して通過)まで予測し得るソフトウエアモデルを構築した。解決すべき問題はまだまだ残されており、他の街を攻略する前にマウンテンビュー市において車に教えることも残されているが、2年前には立ち往生していた市街地の数千の状況を、今では自律的にナビゲートできる」とUrmson氏は述べている。自動運転カー・プロジェクトの車がデータを収集した走行距離は、まもなく700,000マイル (1,126,541キロ)に達するそうだ。