――子役時代に1億円もの借金を背負われて、約10年で返済したという話もテレビ番組で知りました。借金の怖さを知っているから、借金をしないと。

絶対、借りません。借金しないとマズイ時もありましたけどね。変な話、分割とかも嫌いです。家のローンとかは家賃だと思っているんですけど、昔、ウォークマンを初めて分割で買ったことがあって。銀行の引き落としにしてなくて、払うのを忘れちゃってたんですよ。それで、延滞金がかかったことがあって。それ以来、二度と分割では買わない。お金がないなら欲しがらない。

――『アナザースカイ』(日本テレビ系毎週金曜23:00~ 2014年3月21日放送回)では、ものの数十分でメガネを30万円分も買っていましたね(笑)。いつも、あんな豪快な買い方なんですか。

そんなに買い物行く時がないので、服も業者買いです。店員さんを1人付けて、バババッと渡していって、だいたい…50着ぐらいは買いますね。ただ、あのメガネを買った時は、酔っ払っていたので半分くらい覚えてないんですよ(笑)。

――冠番組もはじまりましたし、バラエティで大活躍ですね。坂上さんといえば、その年に稼いだお金を年末の競艇に投入するというのが有名な話ですが、今後もそれは変わりませんか。

去年の大みそかやりましたし。まぁ、今年も行くでしょう。ゲームみたいなものなので。

――見事に的中したら、翌年は休むんですよね。

それが問題なんですよね。1回、1年休んだことがあるので。

――当たっちゃったんですね。

"当たっちゃった"じゃないんですよ、当てたんです(笑)。事務所の維持費とか、社員さんの年間の給料を1月に払って、あとはずっと海外を放浪していました。30代前半の頃だったと思います。

――そろそろ、当たりそうですね。

イキたいですね。ただ、この状況が許すかどうか(笑)。当たったら、その時に考えますよ。今年は4月上旬に僕の演出する舞台があって、一昨年くらいからそのスケジュールは決まっていたんです。それで、2014年の4月の舞台が終わるまでは働くことにしていたので、それで働いてただけなんですよ。だから、去年の12月の時点でマネージャーには4月の舞台以降は、(仕事を)入れないでくれってお願いしてましたんで。いつものことなんですけど。そしたら、大みそかでお金がなくなったので、「今年も働きます」と(笑)。

だから、『バイキング』の司会の返事をしたのも、(金を)スッてからです。僕なんかで…と不安なフリをしてちょっと待っててもらってて、心の中では大みそかの競艇に行ってから決めようと(笑)。そんなノリです。

――そうは言っても、やっぱりバラエティの面白さを感じているからこそ、仕事を受けていらっしゃるのでは。

バラエティは即興劇というか、アドリブ芝居というか。もともと、お笑いの方々の頭の回転の速さにはビックリしていたので。昔は、番宣とかで出ても何ができるわけでもなく。面白いこと言わなきゃいけないと思っても頭が回らず。ただ、性格的なものもあると思うんですけど、年々、40過ぎたぐらいから良い意味でどうでもよくなっちゃったんですよね。もともとそんなに勤労意欲が高い方でもないので、だからバラエティに出ててもオジサンとしていられるというか。

「自分はもう40代ですから」って言ったら、ある人から、「この仕事やってるんだったら、自分からそんなことは言わないほうがいい」と言われて。ジジイはジジイと思っているから、僕はそれには反対派なんですよ。そうやって割り切るようになってから、どこでも気楽で、力を抜いていられるようになった。昔は、手汗かいてましたからね。何にもできてないと思って、なんだか申し訳なくなっちゃってたんです。でも、年をとると、やろうとしてもできないこともありますし。力抜けてた方が、無責任なことを言えたりもするので(笑)。

――そこが、バラエティに"坂上忍"が求められているゆえんなのかもしれませんね。また、『アナザースカイ』の話になりますけど、お酒もすごい飲みっぷりでしたね。

お酒は、酔った方がいいですよ。

――今の人は酔わない方向に行っていると坂上さんが言ってて。自分にもそういう節があったので、それ以来、酔っ払うようにしています。

アハハハハハッ! 大丈夫かって心配されますよ(笑)。あの時は、ホテル着いて30分でみんなに飲ませたんです。当然、全部カットになっちゃいましたけどね。

――今回の番組は、そんな坂上さんとお金を借りに来る人のまさに即興劇です。

よくこの子生きていけてるなと、驚きますよ(笑)。そのやり方でいいのかと。でも、僕もどちらかというとそっち系なので。やり方としては、我流です。