――共演者の皆さんやスタッフの方たちとは、現場以外でも交流などはあったのでしょうか?

意外に思われるかもしれませんが、収録後に食事へ行ったりいうことはほとんど記憶にないですね。とにかく収録中にすべてを出し切っていた感じ。ですから「アフター」は必要なかったのでしょうね。現場で意見の交換をするくらい。それでも、濃密な時間を過ごしていたから、息はぴったり合っていたんです。

――それだけ、現場が濃密だったということですね。

みなさん、ものすごくそれぞれの役に真摯に向かって集中していた。私の隣が古川登志夫さんだったんですが、本番とリハーサルとの間にものすごく台本に書き込みをしていらしたのが印象的でした。ブレス(息継ぎ)やストレス(強調)をどこに置くかといったことなどをとても細かく、黙々書き込まれていたんです。

30分のアニメであれば、それなりに台詞の数も限られているわけですから、台本には無駄な台詞なんてひとつもないはず。ですから、自分の与えられた台詞から何を強調するのか、自分の見せ場がどこにあるのか、ちゃんと考えて演じるという姿勢は古川さんから教えていただきました。

――なるほど。

リハーサルと本番の2回でバンっと演じきってしまう。だから、今になってみると、すごく集中力もレベルも高い現場だった。ゲストでいらっしゃる方は、前の晩は緊張して寝られない……なんて話も出たくらいで。

――では、若い声優を目指す人に、平野さんからアドバイスを送っていただけますか?

今の人たちもいい感じだと思います。私から言えるとしたら、声だけで演じるというのは、役者以上に、人間の心理をきちんと理解していないとできない。だから、とにかくいろんな経験を積んでみてほしいってことかしら。すべてマイクの前に立った時に役に立つはずだから。

――声優としても30年以上のキャリアがありますが、あえて今後に挑戦してみたい、演じてみたい役柄というのはありますか?

最近になっていじわるな継母とか、色っぽい大人の女性なんかをやっといただけるようになりましたので、今後は平野文の第二期として、それらの路線でいきたいですね(笑)。

――ちょっと想像できないですね(笑)

誰もが日常では"いじわる"なんてまずやらないでしょう。ただ、北野武さんが「人間は振り子と一緒だ」とおっしゃっていたんですね。つまり、いい人になろうと思って長年暮らしていけば、正反対の悪の心理は、その振り幅と同じ分だけ"理解"できるようになると。ですからひょっとすると私も、ようやく年齢なりの経験を積んで、こういった新しい役を演じさせていただく機会をいただけるようになったのかなと思っています。

――では、最後に、『うる星やつら』のファンの方に、このラムちゃんをおすすめしてください!

ラムちゃんは、現代の妖精と言われています。そばに置いておくと、いいことあるっちゃ!

なお、『ARTFX J ラムちゃん』は現在コトブキヤの公式ショッピングサイト「コトブキヤダイレクト」にて予約受付中。商品の発売および発送は、2014年9月を予定している。

商品名:ARTFX J ラムちゃん
スケール:1/7
発売月:2014年9月発売予定
価格:9,000円(税抜)
全高:250㎜(ベース含む)
原型師:白髭創
素材:PVC・ABS
版権表記:(C)高橋留美子/小学館

(C)高橋留美子/小学館