米Akamai Technologiesは4月23日(現地時間)、2013年第4四半期の世界のインターネットの状況についての報告書「Fourth Quarter, 2013 State of the Internet Report」を発表した。攻撃トラフィックが増えるなどセキュリティ関連が悪化し、DDoS攻撃を受けた企業のうち連続して狙われた企業の比率が、第3四半期の4社に1社から、今期は3社に1社に増加した。

この報告書は同社の「Akamai Intelligent Platform」を利用して、世界のインターネット回線状況をまとめたもの。ネットワーク回線、回線速度、攻撃トラフィック、ブロードバンドの普及、IPv6の採用などについて報告している。

同期間、世界のインターネット回線の平均速度は前四半期(2013年第3四半期)から5.5%改善し、3.8Mbpsだった。ピーク時の平均速度は23.2Mbpsに達した。これは前四半期(2013年第3四半期)から30%のアップ、前年同期(2012年第4四半期)と比較すると38%のアップとなり、世界のインターネットは少しずつ高速化しているといえる。

平均速度が最も高速だった国は韓国で21.9Mbps、2位は日本で12.8Mbps、3位はオランダで12.4Mbpsとなる。韓国は前年同期から55%、日本は14%のアップとなるが、一方で前四半期と比較するとそれぞれ1.1%、4.4%のダウンとなった。

また、188の国・地域で攻撃トラフィックの発信を観測した。最多は中国の43%、次いで米国19%、カナダ10%となり、3カ国とも前四半期から増加した。同年第3四半期は減少した上位10カ国からの攻撃トラフィックの量は第4四半期は増加に転じたと報告している。攻撃トラフィックのポートについてはMicrosoft DS(ポート445)、WWW(HTTP)、SSL(HTTPS)、Microsoft SQL Server、SSHなどが上位を占めている。

攻撃トラフィックの発信率は中国が4割を占めた(発表資料より)

攻撃トラフィックのポートはMicrosoftのポート445が多い(発表資料より)

DDoS攻撃の報告は、第3四半期は前期(第2四半期)から減少したが、第4四半期は増加に転じた。2013年通年での報告は1153社からあり、これは2012年の768社から50%の増加となる。連続してDDoS攻撃を受けた企業の比率は、第3四半期は4社に1社だったのが、第4四半期には35%となり3社に1社と増えたことも報告している。

DDoS攻撃を経験した企業の国別比率(発表資料より)

DDoS攻撃のターゲットは企業が半分近くを占めた(発表資料より)