NTT、約20m先にいる任意の人の声をクリアに収音できる技術を開発

NTTは4月16日、約20m離れた場所で話す人々の声から、指定した人の声のみをクリアに収音することが可能な「ズームアップマイク」を開発したと発表した。

従来、遠くの音を収音する技術としては、ガンマイクやパラボラマイクなどがあったが、音源が5m以上離れた位置にある場合、受音時のエネルギーが小さいことや空間分解能が低いため、周りの雑音と区別して収音することが難しかった。

今回、NTTが開発したズームアップマイクは、音を反射させて遠くの音を収音可能とする凹型反射板の前に、約100本のマイクロホンを設置することで、そのマイクロホン間に生じる位相/振幅差を利用し、遠く離れた場所(約20m)の狙った音だけをクリアに収音することを可能としたもの。また、約100本のマイクロホンから、すべての音声を録音しておくことで、あとから任意の場所の音をズームアップして聞くことも可能だという。

なお、NTTでは同マイクを今後、スポーツ競技場における臨場感のある観戦や放送サービスへの活用や、2～3本のマイクと信号処理技術を組み合わせた、騒音や雑音環境下におけるクリアな音声収集ソリューションの事業化などを行っていく計画としている。