8インチ以上でWindowsタブレットの存在感が増す

驚異的な伸びを見せたのがパソコンだ。消費増税に加えて、Windows XPのサポート終了を契機に買い替え需要が爆発。ノートPC、デスクトップPCともに、金額で前年比2倍を超える規模となった。ソニーが2月にVAIO事業の売却を発表したが、良くも悪くもシェアに大きな変動は出ていない。「最後のVAIOということで買いに走ったユーザーもいたようだが、大きな動きにならなかった。サポートに対する不安があるのかもしれない」とBCNの森英二アナリストは解説する。

デスクトップPCの台数前年比がプラスになるのは12年3月以来2年ぶり

東芝は新製品の切り替えに苦しみ、1~2月にシェアを落とした

タブレットは一時の勢いがないものの、3月は前年同月比57.0%増となり、駆け込み需要が起きた。この結果、2010年5月のiPad発売時に比べ、市場規模は10倍にまで拡大したという。しかし、ASUSとアップルの圧倒的な強さに変わりはなく、他社は駆け込み需要の恩恵にあずかれていないのが現状だ。「ただ、8インチ以上ではWindowsタブレットの存在感が増している。マイクロソフトのSurface(サーフェス)を含めると、シェアが20%を超えることは確実で、iPadに迫る勢いを見せている」(森アナリスト)。

レノボがMiixの発売でシェアを伸ばしているものの、2強には遠く及ばない

スマートフォンも駆け込み需要が旺盛で、3月の台数前年比は28.7%増となった。中でも、NTTドコモが参戦して、キャリア3社がキャッシュバックキャンペーンを展開したiPhoneが飛躍的に台数を伸ばし、シェアで他社を圧倒する結果となった。

MNPのキャッシュバックキャンペーンで実質無料となった「iPhone 5s」(16GB)の販売構成比が急激に拡大した

家電業界における消費税増税の駆け込み需要は思いのほか大きく膨らみ、反動減から抜け出すのに半年以上かかるという見方もある。そのような中で、道越アナリストは少し楽観的だ。「地上デジタル放送のスタート時にデジタルテレビを購入したアーリーアダプタ層の買い替えが始まっており、大型モデルや4Kモデルが手に届く価格にもなっていることから、2~3カ月で前年並み水準まで戻るのではないか。パソコンも、Windows 8の悪評が8.1および今回のアップデートで改善されたことで購買意欲が高まり、回復へと向かうのではないか」と予想している。