GEヘルスケア・ジャパンは、PET(陽電子放射線断層撮影装置)とCT(コンピュータ断層撮影装置)を一体化したPET/CTの最上位機種「Discovery PET/CT 610」および「Discovery PET/CT 710」に搭載可能な、PET画像再構成機能「Q.Clear」の発売を4月11日より開始すると発表した。

同機能は、従来の画像再構成法ではできなかった、「画質」と「定量精度」の双方の両立と向上を実現したもので、がん治療における診断能向上ならびに治療効果を前後で比較判定する際に使用するSUV値(定量値の指標)の信頼性・安定性改善などを図ることが可能となる。

具体的には、「逐次近似法」を用いて画像を再構成する際に演算の繰り返しを多く行ってもノイズが増大しないよう、アルゴリズム内にノイズをコントロールするための新たな演算式を組み込んだという。これにより、従来相反関係にあった「画質」と「定量値」の双方が向上し、一貫性のあるSUVを提供できるようになり、継時的な治療効果判定へのPET利用が可能となったとする。

また、従来PET画像再構成法と比較して、画質を約2倍(同社製品比)に向上、微小病変の描出能力や、隣接する病変の識別能力が高まったほか、肝臓のようにノイズの多くなりやすい部位でもクリアな画質を実現するため、診断精度を向上させることができるとする。

なお、同社では同製品について、初年度国内販売目標を20台としている。

「Q.Clear」を用いない場合(左)と「Q.Clear」を用いた場合(右)の画像比較