東京商工リサーチは3日、島根県益田市の益田国際観光ホテル島田家が2014年3月31日、松江地裁益田支部に破産を申請し、4月1日に破産開始決定を受けたと発表した。負債総額は約3億2,400万円。破産管財人には羽柴貴宏弁護士が選任された。

島田家は天保年間創業の老舗旅館。野口雨情が歌に詠み、1994年11月には天皇、皇后両陛下が宿泊されたこともあり、地域での知名度は高かったという。観光客の宿泊や地元企業等の宴会利用などで、1998年7月期までは2億円を超える年間売上高を計上していた。

近年は観光客数や景気低迷による宴会減少に伴い利用客数が減少し、設備の老朽化が進んでいた。その後も有効な顧客獲得策を出せないまま売上高は年々減り続け、2013年7月期の売上高は約7,000万円にまで低下。金融機関からは経営指導や返済猶予の支援を得ていたが、業績低落は止まらず資金調達が限界に達し、2014年3月31日の決済のめどが立たないことから今回の措置に至った。