NTTは、国営の電電公社を1985年に民営化。92年には移動体通信部門としてNTTドコモが分離独立。99年にはNTT再編でNTT東西に分離・分割となり、NTT持株体制に移行した。こうした民営化、分離・分割策は、国策によってインフラを整備するなどしてきたNTTグループの圧倒的なシェアに対して、民間事業者が平等な競争を可能にするための措置だった。完全民営化はまだ実現していないが、こうした取り組みの中で、NTTには強い規制がかけられている。

NTTの民営化、分離・分割の経緯

具体的には、NTTグループ内でのサービス連携に関する規制や、高いシェアを持つNTTドコモに対する差別的な取り扱いの禁止といった規制だ。NTTグループは、持株の配下に100%子会社としてNTT東西、NTTコミニュケーションズがあり、NTTデータは54.2%、NTTドコモは66.6%の株式を保有している。NTT東西は音声で76%、FTTHで72%、ドコモは45%、それぞれ市場シェアを獲得しており、「支配力は相当に強い」(徳永順二ソフトバンク常務執行役員 財務副統括担当兼渉外本部本部長)。

高いシェアを持つ各社を、NTT持株が抱えている