村田製作所は3月27日、有線I2Cインタフェース付きRFID用デバイス「マジックストラップ」を発表した。

「マジックストラップ」は2008年に開発された。SMDタイプと超小型タイプの2つがあり、SMDタイプは多層基板やRF部品の設計で培った回路設計技術、アンテナ設計技術を活かし、搭載する基板自体をアンテナにすることができる。推奨パターンを使用することで、RFIDアンテナの設計労力削減や専有面積削減に寄与する。また、2010年にはアンテナを多層基板に内蔵した超小型タイプが開発された。これまで取り付けることができなかった試験管やペンなどの極小スペースに取り付けることができる。

今回の製品は、SMDタイプの「マジックストラップ」で、推奨パターンを使用するとユーザーの基板自体をアンテナとして通信に使用できるのに加え、ICやセンサなどと接続できるI2Cインタフェースを新たに備えた。これにより、RFIDを使用して機器に搭載されたICの情報も読み取ることが可能。逆に、RFIDからの情報をICで読み取ることもできる。さらに、ICタグの電源がオフの状態でもリーダライタから電力が供給され、ICタグにアクセスが可能なため、低消費電力を実現できる。また、BluetoothやWi-Fi、ZigBeeに比べて低コストで、無線通信の認証が不要の無線インタフェースを実現することができる。これにより、工程管理や物品管理、履歴管理をはじめ、これまで以上に幅広い市場・用途で活用できる。

RFID部は、ISO/IEC 18000-6 TypeC、EPC/g C1G2といった規格に適合する。周波数帯はUHF(900MHz帯)、読み取り距離は2m。I2Cインタフェース部は、Standardモードで100kHz、Fastモードで400kHz。メモリ容量は3328ビット。

なお、サンプル価格は100円。すでに、福井村田製作所にて量産中で、5月より月産100万個体制を構築していく予定。

村田製作所の有線I2Cインタフェース付きRFID用デバイス「マジックストラップ」