羽生結弦選手のソチ五輪での演技は、皆が注目していた?

「世界フィギュアスケート選手権大会2014」が26日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)で開幕し、ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦選手はショートプログラム(SP)で91.24の3位発進となった。その羽生選手の演技を見ようとしたのか、2月のソチ五輪では羽生選手の演技前後の時間帯で、東京電力(東電)管内の電力需要が高まっていたことがこのほど明らかになった。

ソチ五輪でフィギュアスケート男子シングルのショートプログラム(SP)が行われたのは、日本時間2月14日の午前0時過ぎから。全体で19番目の滑走順の羽生選手は2時45分頃から演技を開始した。

同日午前2時台の東電管内の電力需要を調べると、3,233万キロワット。その週の同時間帯の数字は、3,186万キロワット(9日)、2,952万キロワット(10日)、3,147万キロワット(11日)、3,171万キロワット(12日)、3,200万キロワット(13日)と推移しており、14日が最も高くなっていることがわかる。

唯一、午前3時台に3,300万キロワットを超える

羽生選手はSPで世界歴代1位となる101.45のスコアをマーク。金メダルの最有力候補として、多くの国民が注目したであろうフリーは、日本時間15日の午前0時過ぎより開始された。羽生選手は全体の21番目の滑走順で、3時30分頃より演技を始めた。

同日午前3時台の東電管内の電力需要を調べると、3,326万キロワットとなっている。その週の同時間帯の数字は、3,075万キロワット(9日)、 2,882万キロワット(10日)、 3,055万キロワット(11日)、 3,100万キロワット(12日)、 3,124万キロワット(13日)、 3,186万キロワット(14日)と推移。羽生選手が演技していた15日のみ、飛びぬけて電力需要が高まっていることがわかる。同時間帯の電力需要が3,300万キロワットを超えたのは、2月中では15日のみだった。

100万キロワット以上の需要押し上げ?

冬場に電力を多く消費するものの一つとして暖房器具が挙げられるだろう。そこで、東京の気温と電力需要の関係を調べてみると、2月15日午前3時の気温(0.7℃)より寒かった2月5日午前3時(0.3℃)の電力需要は、3,191万キロワットにとどまる。単純に比較すれば、その差は135万キロワットだ。ちなみに、100万キロワットの電力需要をまかなうためには、原子力発電所1基が必要とされている。

もちろん、気温以外にも電力需要を増やす要素はあり、毎日の各種条件が異なるため、確実に「羽生選手効果」によって東電管内の電力需要が高まったとは言えない。それでも、羽生選手の歓喜の瞬間をライブ映像で見届けようと、テレビや照明、暖房などをつけた家庭がふだんよりも「多少は」あったといえそうだ。

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