Texas Instruments(TI)は3月20日、PMBusインタフェースを内蔵した小型の12A同期整流DC/DC降圧型コンバータ「TPS53915」を発表した。

同製品は、小型パッケージにハイサイドとローサイドの制御用NexFET MOSFETを集積、12Aの連続出力電流をサポートする。このため、有線/無線通信、企業向けクラウドコンピューティングやストレージシステムなど、様々な分野の実装面積に制約のあるアプリケーションや高電力密度のアプリケーションにおいて、DSP、FPGAやASICの電源として最適であると同社では説明する。また、オンライン設計支援ツール「WEBENCH」と組み合わせることで電力変換機能の設計を簡素化し、設計プロセスの短縮を実現できる。

さらに、0.5%と高精度のリファレンス電圧を提供、各種のDSPやFPGAなどのディープサブミクロンプロセッサ製品の電源電圧要件を満たす。加えて、D-CAP3アダプティブオンタイム制御モードにより、高速の負荷過渡応答を提供するとともに、出力コンデンサやループ補償が不要で、最小限の外付け部品点数で動作させることが可能。そして、PMBus経由のプログラマビリティとフォルトレポート機能により、電源設計の簡素化と、さらなる部品点数の低減が可能なのに加え、自動スキップ動作のEco-modeが、高い変換効率を提供することが可能だとしている。

この他、製品内部では、接地電位のリードフレーム上に複数のNexFET MOSFETが上下に積み重ねられており、銅クリップで接続されている。このユニークなスタックとボンディング手法の組み合わせにより、MOSFETをチップの両側に配置された他のソリューションに比べて、小型化、高集積化を実現しているという。

なお、パッケージは、3.5mm×4.5mm×1mmサイズの28ピンPowerStack QFN。価格は1000個受注時で3.51ドル。現在すでに量産出荷中で、併せてシングル同期整流降圧型コンバータ評価モジュールも供給中だという。

TIのPMBusインタフェースを内蔵した小型の12A同期整流DC/DC降圧型コンバータ「TPS53915」