モバイルOSの発展に意志を持つApple

AppleがiOSに機能を追加することは、モバイルデバイスの役割を拡げることを意味する。それまで携帯電話の基本的な機能だった通話とメッセージに加えて、iPhoneをリリースして電子メールやウェブブラウザを大きなタッチスクリーンで操作するスマートフォンの姿を定義した。アプリのエコシステム、音声アシスタント、自動車との連携など、iOSは次々に新たな機能を追加し、スマートフォンの役割を増やしてきた。

インターネットのブログなどでは次期iOSとみられる「iOS 8」についての情報が出回っており、9to5Macでは「Healthbook」という名称を例に挙げて、AppleがiOSでユーザーの健康情報を扱うことができるアプリをiOS 8で用意するのではないか、と指摘している。ちょうど、Passbookがクーポンやチケットを管理するアプリであるように、Healthbookでは健康関連のアプリや情報を集約するとみている。

iOS 8は、今後も、スマートフォンやタブレットのためのモバイルOSとして、Appleの重要なテクノロジー進化を担い続ける。プラットホームをオープンにして開発者に全てを委ねるのではなく、Appleもモバイルの将来についてのビジョンを持ちながら行動しており、次にAppleが何をモバイルに持ち込むのか、注目が集まっている。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura