市場調査会社のカンター・ジャパンは、新車の購入を検討している人たちが情報収集から実際の購入までにどのような行動を取るのかをアメリカや中国で調査し、その結果を分析して公開した。テレビ、新聞、雑誌といった伝統的なメディアが高い信頼を得ていることがわかった。

車を購入する際の「信頼する情報源」はいまもテレビ、新聞広告などの伝統的な広告手法という結果に

同社のグループ会社であるテイラーネルソンソフレス(TNS)社が昨年7月から10月にかけてアメリカで実施した調査によると、4~6カ月以内に新車を買おうと考えている人のうち、テレビ広告や新聞広告、雑誌広告などの伝統的な広告手法を信頼する情報源としてとらえている人の割合は約59%だったという。自動車ブログやSNSのレビューなど、消費者主導型のオンラインコンテンツを信頼する情報源と回答した人はわずか7%程度だった。自動車ディーラーを信頼する情報源と回答した人は38%だった。

同様の調査を中国でも行ったところ、伝統的な広告手法が43%、自動車ディーラーが26%、消費者主導型のオンラインコンテンツが31%という結果となっている。

今回の調査で、インターネットに慣れ親しんでいる人でも、消費者主導型のオンラインコンテンツから得られる情報をあまり信頼していない実態が浮かび上がった。ただし、この調査結果はデジタルマーケティングに効果がないという結論にはならないとTNS社は強調している。自動車メーカーによって実施されたデジタルキャンペーンでは成功例があり、また、消費者主導型のオンラインコンテンツは、購入する車種を絞り込む際の情報源として活用されているという。