女性消費者の声を調査・分析し、トレンド予想を行っているハー・ストーリィはこのほど、「2014年度消費トレンドセミナー」を都内で開催した。消費税率引上げを前に、これからの女性マーケットの消費動向に関心が集まる中、メーカー企業の商品開発担当者やマーケティング担当者など、約150名が集まった。

トヨタのカーグッズ通販「ハピカラ」の商品。フランフランとコラボした商品も展開している。車内を自分の部屋のようにアレンジできると、女性に人気だという

節約志向がさらに強まる中、定番商品に支持が集まる

ハー・ストーリィは女性マーケティングに取り組み、長年にわたって男女の購買行動の違いを調査している。調査結果からは、たとえば「男性はできるだけポイントカードを1枚に集約させて財布を薄くしたい。一方、女性はポイントカード専用財布を持っている人も多数いる」(日野氏)など、男女間の違いが見られるという。物を買うときの評価基準も異なり、男性が製品の性能や機能そのものといった「基本的価値」に重点を置くのに対し、女性は自分に似合うかどうかなどの「個人的価値」を重視する傾向が見られる。

では、女性たちがいま、買っているのはどんな商品なのか? 昨年末、20~50代の女性1,960人を対象に、ハー・ストーリィが実施した調査によると、ファストファッションやプライベートブランド商品といった、いわゆる「定番商品」の利用者が9割超という結果となった。

定番商品を選ぶ理由としては、経済性や機能性の高さを挙げる声が目立ち、従来からの節約志向が、消費税率引上げを前に、さらに高まっているのでは、と日野氏は分析する。「消費増税後、高い買い物を控えようと思う」と回答した人が64%にのぼったことと合わせ、定番商品への人気はこれからも続いていくと予測した。

女性特性専門マーケッターである日野佳恵子氏(ハー・ストーリィ代表取締役社長)が講演を行った

「プチアレンジ」で定番商品にオリジナリティをプラス

ハー・ストーリィが実施した調査では、女性たちが定番商品に対して物足りなさを感じていることも明らかになった。具体的には、「他人と被る可能性が高い」「特別感がない」「個性に欠ける」といった不満が表面化しているという。

そこで、日野氏がトレンドとして注目しているのが「プチアレンジ」。昨年話題になった「デコ弁(デコレーション弁当)」や、工業用品のマスキングテープをかわいらしく進化させた商品が装飾用としてヒットしていることなどを例に挙げ、「アレンジがブームになっている」と解説した。

また、スマホやSNSの普及で、自分なりのアレンジを自ら発信し、周囲からの評価を受けることができるようになったことも、「アレンジブーム」を後押ししていると分析。定番商品を選択しつつ、よりオリジナリティを求める意識が、自分の持ち物をアレンジし、デコレーションしたいという欲求につながっているとのことだ。

セミナーでは、こうした最新の女性の消費トレンドにいち早く対応した企業のサービスを紹介。具体例として、定番衣類を手芸用品でオリジナルな1点ものにカスタマイズする「MYユニクロ」、トヨタのカー用品通販サイト「ハピカラ」などを挙げていた。

「ハピカラ」は「ハッピーカーライフ」を意味し、「クルマに乗る時間をもっと楽しみたい。クルマという空間をもっと快適にしたい」との思いに応えるべく誕生したサイト。インテリア・雑貨ブランド「Francfranc」(フランフラン)、ファッション・コスメを中心にカタログ販売・通信販売を手がける「BELLE MAISON」(ベル・メゾン)とコラボしたショップも展開し、クルマを素敵にコーディネートするアイテムや、忙しい女性をサポートする応援グッズなども販売しているという。

これらのサービスを踏まえ、日野氏は少数を相手にするイメージだった「アレンジ」や「コーディネート」に対するサービスが今後、大きなマーケットとなっていく可能性を示唆。「定番商品=評価が固まっているロングセラー」に「遊び心」を加えることで、ヒット商品が生まれるかも……、という商品開発のヒントも飛び出した。セミナー受講者も、熱心に聞き入っている様子だった。