明治は3月5日、同社の独自配合アミノ酸素材「D-V.A.A.M.」を運動前に摂取すると、脂肪分解・燃焼に効果的であることを確認したと発表した。

同成果は、同社ならびにと立命館大学スポーツ健康科学部の共同研究によるもので、詳細は2014年3月28日~30日にかけて開催される「日本農芸化学会 2014年度大会」にて発表される予定だという。

「D-V.A.A.M.」は、運動による体脂肪分解機構に注目して開発された、独自の17種によるアミノ酸混合物素材。疑似運動モデルを用いた脂肪分解促進効果をもつアミノ酸の選抜ラットの腹腔内にアドレナリンを投与する疑似運動モデルを構築し、各種アミノ酸を経口投与した際に、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン投与群では、スズメバチ栄養液アミノ酸混合物投与群よりも血漿中グリセロール濃度が高く、高い脂肪分解促進効果が示唆されたことから、そこから、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンの配合比を高めることで生み出された。今回の研究では、運動時の脂肪分解効果をより高めるアミノ酸を選抜すること、そして「D-V.A.A.M.」の、運動時の脂肪分解・燃焼促進効果を確認することを目的として、動物およびヒトにおける評価試験を実施したという。

アミノ酸投与時のグリセロールAUC(Area Under the blood-concentration-Curve:血中濃度-時間曲線下面積)変化量

具体的な実験としては、選抜したアミノ酸で作製した「D-V.A.A.M.」の脂肪分解促進効果ラットの腹腔内にアドレナリンを投与する疑似運動モデルを用い、「D-V.A.A.M.」を経口投与。その結果、対照(水投与)群と比較し、腹腔内投与30分後の血漿中グリセロール濃度が明らかに増加し、高い脂肪分解促進効果が示唆されたという。

アドレナリン投与30分後の血漿中グリセロール濃度変化量

また、「D-V.A.A.M.」の抗肥満作用高脂肪食飼育下のマウスに「D-V.A.A.M.」を毎日経口投与しながらトレッドミル運動を負荷したところ、対照(水投与)群と比較し、体重増加と腎周囲脂肪重量の増加が抑制されたほか、エネルギーを熱として放出する褐色脂肪細胞中UCP-1の発現量が多くなり、熱産生を促進する可能性が示唆されたとする。

試験期間中の体重推移

解剖時の腎周囲脂肪重量

褐色脂肪組織中UCP-1発現量

これらの結果を受けて、さらに健常な20歳以上の男子大学生12名を対象に、「D-V.A.A.M.」もしくはプラセボ食品を摂取してもらい、30分後より60分間の自転車運動を行い、脂肪分解・脂肪燃焼の指標を測定したところ、脂肪の分解を促進するグルカゴンの分泌が明らかに高く、さらに脂肪酸の代謝物であるケトン体の血中濃度が明らかに多くなったことから、脂肪分解と脂肪燃焼の促進が確認されたという。

血中グルカゴン濃度

血中総ケトン体濃度

これらの結果から研究グループでは、「D-V.A.A.M.」の運動前の摂取により、運動をする際にグルカゴンの分泌が促され、脂肪分解と脂肪燃焼が促進されたほか、褐色脂肪組織内のUCP-1発現量も増加し、熱産生が増加することで体重・蓄積脂肪の増加を抑制する可能性が示されたとコメント。今後も、脂肪分解・燃焼促進効果への知見を深め、運動でムダのないカラダづくりを目指す人たちへの、日々の生活充実に貢献できるよう、研究を進めていく方針としている。