BitCoin FoundationのExecutive DirectorであるJon Matonis氏は27日 (スペイン時間)、仮想通貨BitCoinの取引所の1つである「Mt.Gox」閉鎖に伴う問題についてコメントした。Matonis氏は「Mt.Goxは独立した事件だ」と語り、BitCoinネットワークの問題ではないことを強調した。

講演するJon Matonis氏

Matonis氏は、世界最大級の携帯電話関連の展示会である「Mobile World Congress 2014 (MWC 2014)」の最終日に講演を行い、BitCoinについて説明した。Matonis氏は、「BitCoinを3つの単語で定義するなら "政府のない通貨 (Money Without Government)"」と表現し、通常の通貨が政府による正当性の確保によって成り立つのに対し、BitCoinはマーケットによる正当性が担保されることによって成り立っている、と話した。

「過去5年間、BitCoinは (通貨を担保する) 王様もいらないし、中央銀行もいらないことを示してきた」とMatonis氏。これまでの通貨が「トップダウンによる幻想」であり、マーケットが担保する「ボトムアップの幻想」もあるべきだ、と強調した。

携帯電話関連の展示会ということで、Matonis氏はモバイル向けのBitCoinについても言及。政府による保証がなく、銀行カードやクレジットカードネットワークも不要で、スマートフォンアプリとして動作する、といった点を挙げ、モバイル決済にも親和性が高い点をアピールした。

Matonis氏は、講演の中ではMt.Goxに関して言及しなかったが、公演後のパネルにおいてコーディネーターからMt.Goxについて問われ、「独立した事件」とコメント。BitCoin自体の問題ではなく、あくまでMt.Goxにおける問題という認識を示した。

それでもMatonis氏は、「BitCoinネットワークは、Mt.Goxの一件があってさらに強力になった」と強調。より安全性を高めるために改善を続けていく姿勢をアピールした。

Matonis氏は、20年にわたって金融関係の職に就いており、VISAや住友銀行 (当時)、VeriSignなどを経て、現在はBitCoin FoundationのExecutive Directorとして、BitCoinの運営に当たっている。

なお、日本時間の28日、Mt.Goxは東京地裁に民事再生法の適用を申請し、破綻したことが決定的となったが、本レポートにおけるMatonis氏の講演は、その発表より前に行われたものだ。

Bitcoin FoundationのWebトップページ