IDC Japanは2月21日、国内エンタープライズストレージシステム(外付型ストレージとサーバー内蔵型ストレージの合計)のメディアタイプ別市場実績と2017年までの予測を発表した。

発表によると、フラッシュ技術を利用したI/O intensiveストレージの2013年の売上額は112億1,600万円(前年比75.4%増)が見込まれている。

また、I/Ointensiveストレージの2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は39.2%で、2017年には334億3,800万円に達すると予測している。

同社では、高いI/O性能を特徴とするフラッシュストレージの普及が本格化したのは、データベースやデータウエアハウス/ビジネスインテリジェンス、Web、OLTP(On-Line Transaction Processing)などのアプリケーションにおいて、既存のPerformance optimizedストレージよりもさらに高いストレージI/O性能を求める需要が拡大しているほか、サーバ仮想化やデスクトップ仮想化といった仮想化環境の普及と共に、仮想化環境で利用されるストレージI/O性能のボトルネック解消が強く求められるようになってきたためと予測。

フラッシュストレージの需要が拡大しているもう一つの理由としては、外付型ストレージやサーバーにSSDとしてHDDと共に搭載されるだけではなく、フラッシュのみを搭載したオールフラッシュアレイや、サーバーに搭載されるフラッシュPCIe(PCI Express)カードなど、フラッシュストレージの提供形態が多様化し、ユーザーの選択肢が広がっていることも挙げられるとしている。

HDDのGB単価に比べてフラッシュストレージのGB単価はまだかなり高価だが、フラッシュストレージを利用することでシステム全体のコスト削減が可能になるケースも出てきているとし、IDCJapanストレージ/サーバー/IPDS/PCsグループディレクターの森山正秋氏は「フラッシュストレージは、特定のアプリケーションのI/O性能を高速化するだけのソリューションではなく、ITインフラの投資パターンを変える可能性を持っている」と分析している。

また、2012年~2017年における国内エンタープライズストレージシステム全体の売上額のCAGRを2.1%と予測しており、このうちI/O intensiveストレージは39.2%、Performance optimizedストレージはマイナス15.1%、Capacity optimizedストレージは13.9%と予測。

高いI/O性能が要求されるI/O intensiveストレージと共に、低コストで大容量データの保存に適したCapacity optimizedストレージも高成長を続けると予測している。

国内エンタープライズストレージシステム(外付型と内蔵型の合計)市場のメディアタイプ別売上額予測:2012年~2017年(出典:IDC Japan)