富士通セミコンダクター(FSL)は2月20日、2線式のI2Cシリアルインタフェースを搭載した1MビットFRAM「MB85RC1MT」を発表した。

FRAMは電源を切ってもデータを保持する不揮発性と、データの書き込みを高速で行えるランダムアクセスの両方の特性を兼ね備えている。特に、不揮発性メモリの中では、群を抜いた最大10兆回の書き換え回数を保証している。この特徴により、FA機器、計測機器、金融端末や医療機器などを中心に広く採用されてきた。

同製品は、I2Cインタフェースを搭載した1Mビット(128Kワード×8ビット)のFRAMで、-40℃~+85℃の温度範囲において、1.8V~3.3Vの低電圧で動作する。動作周波数はEEPROMと同等の1MHz動作に加え、3.4MHzでの読み出しと書き込みができる高速モードをサポートしている。また、10兆回の書き換え保証回数により、I2C製品においても、リアルタイムログなど頻繁なデータ書き換えをサポートする。さらに、これまでI2Cインタフェースにより、マイコンとEEPROMを使用していた用途では、EEPROMを同製品に置き換えることで、より頻繁なデータログによるシステムの性能向上、および書き込み時の消費電力の削減が可能になる。

なお、パッケージは、8ピンSOP。FA制御機器、計測メータ、産業機械などEEPROMやシリアルフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが使用されている用途においては、設計基板の大幅な変更をせずに、FRAMへの置き換えが可能になる。すでにサンプル出荷を開始している。

2線式のI2Cシリアルインタフェースを搭載した1MビットFRAM「MB85RC1MT」