STMicroelectronicsは1月31日、デジタルホーム向け64ビットSoCアーキテクチャ「STi8K」を発表した。

「STi8K」は、ARMv8-Aコアを搭載するフルHD/Ultra HD HEVCクライアントボックス向け「Cannes/STiH3」、フルHD/Ultra HD HEVCサーバ/ゲートウェイ向け「Monaco/STiH4」、およびDOCSIS向け「Alicante/STiD12」ファミリをさらに拡張し、それぞれと連携して、32ビットから64ビットへの円滑な移行を促進する。

「STi8K」アーキテクチャは、STの28nm完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FD-SOI)、および、より微細化された製造プロセスに最適化されている。また、最新のARM Cortex-A53/A57の64ビットプロセッサ技術により、データスループットの向上、メモリアドレス空間の拡張、および低消費電力を実現している。さらに、米国のEnergy StarやEUのEuP(Energy using Products)指令など、消費者ならびに環境関連の要求にも対応している。

加えて、8チャネル対応HDストリーミングやハードウェアにアシストされた先進的なネットワーキング機能などに対応するFaroudjaトランスコーディングを特徴としており、今後の衛星・ケーブルハイブリッド放送用のホームサーバおよびゲートウェイ機器に求められる最先端のマルチメディアコンテンツ配信機能にも対応できる。

そして、ITU-R勧告BT.2020で要求される広色域10ビットカラーのUltra HD(最大60フレーム/秒動作)や、OpenGL ES 2.0やOpenGL ES 3.0規格に基づく高性能グラフィックス(フルフレームレート)がサポートされているため、事業者はネイティブ4K解像度によるブランディングを展開できると同時に、ユーザーはスポーツの生中継やゲームなどで、ダイナミックな視聴が体感できる。

この他、要求されるデータスループットがチャネル当たり最大6Gbpsとなる新規格HDMI 2.0の他、最新のHDCP2.2(High-Bandwidth Digital Content Protection)セキュリティおよびDisplayPort v1.2により、フルカラー/フルフレームレートのUltra HDスクリーンへの高速接続を実現している。