東京都美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社は、ピカソをして"20世紀最後の巨匠"と言わしめた画家・バルテュスの大回顧展「バルテュス展」を開催する。開催期間は4月19日~6月22日(4月28日、5月5日を除く月曜、5月7日は休館)、開場時間は9:30~17:30(金曜は20:00まで)。会場は東京都・上野の東京都美術館 企画展示室。入場料は一般1,600円、学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下は無料(いずれも当日料金、2月2日より前売り券・各種企画チケット発売)。

「バルテュス展」チラシ

同展は、時が止まったように静謐な風景画や、本人いわく"この上なく完璧な美の象徴"である少女のいる室内画など、どこか神秘的で緊張感に満ちた独特の世界観を描きつづけた画家・バルテュスの国内最大規模、没後初となる大回顧展。世界中から集まる40点以上の油彩画に加えて、素描や愛用品など100点以上を紹介するもので、7月5日~9月7日には京都市美術館(京都市左京区)へ巡回する。また、生前めったに他人を招き入れることはなかったという、バルテュスが晩年を過ごしたスイス最大の木造建築「グラン・シャレ」の敷地内に建つアトリエを、貴重な愛用品とともに再現する。

なお、バルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ)は1908年パリ生まれの画家。美術学校には通わず、20世紀美術の流派のどれにも属することなく、独特な具象絵画の世界を築き上げていった。1934年にパリで開かれた最初のスキャンダラスな個展以降、扇情的なポーズを取る少女というモティーフゆえに批判や誤解にさらされたが、1983年のパリのポンピドゥー・センターでの回顧展で国際的な名声を獲得。幼い頃より日本や中国といった東洋文化に親しんでいる。作品が世界各地に所蔵されているため、これまでバルテュスが愛した日本ではあまり作品を見ることができなかったが、1967年にバルテュスと結婚した節子夫人の全面的な協力を得て、今回の回顧展が実現することとなった。